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名大教授が研究費で腕時計、自転車、炊飯器… 35万円

2009年6月29日23時42分

 名古屋大学は29日、医学部保健学科の50代の男性教授が国からの研究費約35万円を、腕時計や自転車、炊飯器の購入などに私的流用していたと発表した。教授は当初、研究目的と主張していたが、現段階では私的流用を認めているという。大学は処分を検討している。

 大学は昨年9月から、全教職員と取引業者445社を対象に研究費の不正使用がないか調査していた。

 記者会見した佐分晴夫副総長によると、この教授は02〜04年度、実際には購入していない消耗品の請求書を名古屋市内の物品納入業者につくらせる形で、計256万円余りを「預け金」として同社にプールしていた。教授は調査に対し、「年度内に使い切れない研究費などを、年度をまたいで使うためだった」と説明したという。

 同社の協力で、納品実績を調べたところ、腕時計などの私的流用が見つかった。すでに退職した60代の医学系研究科元教授も同業者に、計562万円あまりの「預け金」をつくっていたが、私的流用はなかったという。

 また、環境医学研究所の40代の元教授と医学系研究科の40代の元講師が、06年度に業者に委託した遺伝子検査が終わっていないのに、すでに結果が納入されたように不適切な会計処理をしていたことも発表した。同大学は07年10月に研究費による物品購入などをチェックする新制度を始めており、その後の不正使用はないとしている。

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