ここのところ古い新聞・雑誌記事のコピペが続いてますが…まあ温故知新ということで。手抜きといわれると否定できない(汗
ひとまず今回で打ち止めにすべく、6月の環境月間を締め括るにふさわしい話題(皮肉ですが何か?)をお届けします。
ソースはすでに廃刊になっている雑誌「Views」(講談社)の97年1月号から6月号までの連載、岩瀬達哉「株式会社朝日新聞社の正体」。
岩瀬氏による同誌の連載は単行本化されています。
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この連載では裁判沙汰にまでなった本多勝一リクルート接待事件のほうが有名ですね。
では、97年1月号より。
森林文化協会は、朝日新聞社の創刊100周年事業として昭和53年9月に設立された。「失われつつある自然との触れあいを回復し、緑を守り育て、豊かな人間性を育むことを目的」(『事業概要』)に活動する公益法人である。主な活動拠点は、「滋賀県と群馬県の2ヵ所に設けている自然研修所」で、具体的には森林調査や全国規模のシンポジウムなどを行っている。
同協会の設立趣旨や事業内容は、実に奇特で立派なものであり、実際の活動もまた大いに評価されるベきものである。
しかし、同協会の設立経緯に限って見れば、朝日新聞社の無定見なご都合主義が浮かび上がってくるのである。当初、朝日新聞社は、同協会が掲げる「環境保全」とは似ても似つかぬ「一大レジャー施設」を建設しようとしていた。そのために、滋賀県に148haという広大な土地を買収したのである。
ところが、諸般の事情で当初計画が頓挫すると、買収した土地のつじつまをあわせる必要から「森林の保全」という新たな活動を考えだしただけなのだ。この点については、次回以降の連載のなかで詳しく報告することにする。
このように朝日新聞社は、都合の悪い過去についでは隠そうとし、世間体のいいことばかり宣伝する傾向にある。
森林文化協会とリクルートとの関係もまた、その顰(ひそ)みに倣っている。
どういうことか。
「感謝をしつつ返却する」奇妙さ
ところが、リクルート事件が発覚すると、同協会は寄付金を全額返却するのである。
その辺の事情を知る朝日新聞の有力OBが語る。
「森林文化協会は、リクルート事件とこの寄付は意味が違うと言って、なかなか返したがらなかった。しかし、リクルートの寄付の狙いは、環境問題にうるさい朝日新聞に対して、お手柔らかにという意味でしょう。どう見たって。
500万円寄付したからこいつて、記者はそんなこと知るかと書くんだけどね。向こうとすれぱ、思惑があるわけですから、朝日側が、やかましく言って返させたわけですよ」
「森林保全」という「同じ考えをもつ企業」から、寄付を集めたはずなのに、結局、森林文化協会は、リクルートコスモスを訪ね寄付金を返却した。
同協会としては、こっそり返し、リクルートとの関係を消し去ってしまいたかったのだろうが、この一件は外部に漏れる。そして、天下っていた足立公一郎氏は、写真週刊誌の取材を受け、返却の理由をこう語っている。
「これほど政官界を揺るがす未曾有の深刻な事態になるとどうもスッキリしないし、割り切れないものを感じる。寄付をいただいたことは今でも十分感謝した上で、お返ししたんです」
いかにも、リクルートグループからの寄付は、朝日新聞社の関連団体にはふさわしくないと言っているかのようでもある。
寄付を募るのも、またそれを突っ返すのも自由といえばそれまでだが、どこか不正献金が発覚し、あわててカネを返しに走る政治家の行動に似ていなくもない。
その上で、同協会及ぴ朝日新聞社は、リクルートの痕跡を消し去っている。
群馬県の「玉原・朝日の森ロッジ」の食堂兼談話室の隅に日立たぬよう掲げられている高額寄付者の名が刻まれたプレートを、リクルート事件後わざわざ作り直しているのだ。もちろん、現在のプレートには、以前は記されていたリクルートコスモスの社名はない。
このように、朝日新聞社の“リクルート隠し”は徹底しているといっていい。
それは、単に社会的体裁を取り繕いたいだけのものなのか。それとも他に理由があるものなのか。
「玉原・朝日の森ロッジ」の画像は木で築くあたたか環境から。
滋賀県朽木村と群馬県沼田市玉原の「朝日の森ロッジ」は2003年に閉鎖されました。
その後、群馬県の施設は2005年に東大に譲渡されて東京大学玉原国際セミナーハウスとなっています。
大きな地図で見る
なんでも「戦後最大の木造平屋建築といわれる」そうで、設計は竹中工務店東京本店設計部。
次回も登場するはずですが、マスコミとゼネコンの関係の中でも朝日系列と竹中工務店の親密ぶりは際立っているようですね。朝日新聞東京本社、テレビ朝日新本社、朝日放送新社屋など主要な建物はすべて竹中の施工です。
滋賀県朽木村と群馬県沼田市玉原の「朝日の森ロッジ」は2003年に閉鎖されました。
その後、群馬県の施設は2005年に東大に譲渡されて東京大学玉原国際セミナーハウスとなっています。
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なんでも「戦後最大の木造平屋建築といわれる」そうで、設計は竹中工務店東京本店設計部。
次回も登場するはずですが、マスコミとゼネコンの関係の中でも朝日系列と竹中工務店の親密ぶりは際立っているようですね。朝日新聞東京本社、テレビ朝日新本社、朝日放送新社屋など主要な建物はすべて竹中の施工です。