日本自動車連盟の情報誌「ジャフメイト」7月号の交通ニュース欄に、米国保険業界の研究機関が行った車の衝突実験に関する話題があった。
日欧各メーカーの小型車3車種をそれぞれ中型車と衝突させた。当然、小型車が大破し、乗員に危険が及ぶとの結果が出た。実験を受け「小型車は危険」「燃費を追いすぎると殺される」といった意見が経済紙に寄せられたと伝えている。
衝突時の安全性だけなら、より大きな車が有利だろう。一定の国内ユーザーの支持のもとに自国メーカーがつくり続けてきた大型車を擁護し、日欧の小型車をおとしめる保護主義的実験と言えようか。
先日の山陽時事問題懇談会例会で金子勝慶応大経済学部教授が「今はエネルギーの大転換期。各国が環境・エネルギー産業に注力している。日本も一段の努力を」と力説していた。中国で格安電気自動車が開発された話も紹介した。
米国もいつまでも相手の悪口に終始している国ではない。ここから先は燃費低減や環境対応車に力を入れ、正攻法で攻めてこよう。何といっても車づくりの本家である。
倉敷市の三菱自動車水島製作所で電気自動車の量産が始まり、中国電力は電気自動車用急速充電器を開発した。日本の車産業と関連業界も気を緩めず未来に挑み続けてほしい。