法務教官4人が特別公務員暴行陵虐容疑で広島地検に逮捕された広島少年院(東広島市)で、少なくとも数年前から、収容少年を集め、他人の規律違反を紙に書かせる調査が行われていたことが25日、複数の元収容者の証言で分かった。少年問題に詳しい専門家は「事実ならば『密告』で、少年の立ち直りを害す」としている。
2008年までの数年間に、収容されていた少年と現在、成人男性の計4人が中国新聞の取材に答えた。
4人によると、4寮のうち同じ寮の少年が1人でも順守事項に違反すると、寮の全員が集められ、紙を渡されて他人の規律違反を書くよう指示されたという。約1年間収容された少年は「4、5回あった」と証言した。成人男性2人は今回逮捕された教官とは別の教官から「書かなかったら出院を遅らせる」との趣旨のことを言われたという。
成人男性のうち1人はランニング中に、別の少年と雑談したことなどを同調査で指摘され、逮捕された教官とは別の教官にしかられた後、1カ月以上、1人で過ごす単独室に入れられたと証言した。
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