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国税調査官、でっちあげ申告 112万円詐取容疑

2009年6月27日0時14分

 千葉県内の税務署の調査官(31)が虚偽の還付申告書を作成し、約112万円をだまし取ったとして、東京国税局は26日、この調査官を懲戒免職処分としたうえで、国税庁監察官が同日、詐欺、有印私文書偽造・同行使の疑いで東京地検に送致した。6月に入って上司に打ち明けた調査官は「消費者金融の返済で、生活費が不足していた」と容疑を認めているという。

 東京国税局によると、この調査官は今年1〜4月、「知り合いの中国人6人が会社を辞めて帰国することになり、代わりに源泉所得税の還付申告の手続きをして欲しいと頼まれた」と埼玉県や静岡県の6税務署に自ら届け出た。その上で、6人の所得税確定申告書を各税務署に提出。還付金計112万円を自分と家族の口座に振り込ませたという。6人は存在せず、会社勤務も辞職も帰国もすべてでっち上げだった。

 国内に住所を置かない納税者は第三者を「納税管理人」として指定し、納税や還付手続きを委任できる。誰でも管理人になることができ、税務職員も可能だ。また、会社を途中で辞めた場合、確定申告でそれまで源泉徴収されていた所得税を精算すると、還付金が発生することが多いという。税務署に提出される還付申請件数は多く、すべてをチェックしきれないのが現状で、制度や税務の実情に詳しい調査官が知識を悪用したとみられる。

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