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子供と貧困フォーラム:「学校行けず貧困連鎖」 教員ら実情報告--近江八幡 /滋賀

 親の経済状況が苦しくて子どもの教育費を確保できず、貧困が世代間で連鎖していく構造を考える「子供と貧困フォーラム」が27日、近江八幡市のアクティ近江八幡で開かれた。育児と貧困の関係を考える会は県内では初めてという。小学校の教諭や元保育士らが教育現場の実情を報告した。【稲生陽】

 教員団体や市民らによる「ゆきとどいた教育をすすめる会」の主催。OECD(経済協力開発機構)の07年の報告によると、日本で一般家庭の年間平均収入よりも収入が少ない育児世帯では、児童扶養手当など政府の社会保障制度が乏しいことから、むしろ課税により貧しい層が拡大する現状があるという。

 フォーラムでは、県内の育児世帯で収入の低い非正規労働者が増える一方、児童扶養手当の減額などの社会保障制度が後退し、支払った税金分の公的支援すら得られていない現状が問題提起された。

 講演した堺市の小学校教諭、渡部有子さんは、給食費が払えなかったり、風呂に入れずいじめに遭い、学校に来られなくなる子どもたちが増えている状況を報告した。「貧困を連鎖させないようにするのが教育の役割なのに、それが崩壊している。『貧しいのは自己責任』では片付けられない」と指摘。国の予算に占める教育費の割合を、OECD加盟国の中で最低水準の3・4%から平均の5%に上げるべきだと訴えた。

 シンポジウムには県内の養護学校教諭や元保育園長らが参加。深夜まで保護者が帰宅せず、食事も十分にとれない子どもたちがいずれも「僕なんかどうなってもいい」と自暴自棄な言葉を口にする様子などを説明した。

 全教滋賀教組が開設する「こどもセーフティーネット」(077・526・2912)では就学援助などの相談を受け付けている。

毎日新聞 2009年6月28日 地方版

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