韓国で凶悪犯罪が激増…「主犯」は30・40代(下)
今回の研究は、それまで政府が展開してきた凶悪犯罪抑止政策の成果について、根本的な問いを投げかけている。通貨危機以降、警察による凶悪犯罪容疑者の検挙率と起訴率はいずれも減少傾向を示している、とキム博士のチームは分析した。警察の凶悪犯罪検挙率は、97年の93.1%から07年には89.4%に下落。同じ期間に、検察による起訴率は58.6%から28.6%へと半分以下に水準まで下がった。
反面、凶悪犯罪者に対する裁判所の平均量刑水準は、通貨危機以前より軽くなる傾向を示した。キム博士は「1970年後半の時点では、有罪を宣告された刑事被告人10人中4人が死刑あるいは懲役刑などの自由刑を宣告されたが、2000年代中盤にはこの比率が10人中2人に落ちた」と語った。
このように国家の犯罪抑止力が落ちた原因をうかがわせる数字の一つが、警察・検察に対する人的・物的支援の統計だ。警察に対する人的・物的資源の投入は、過去10年の間、事実上「凍結」状態にあった。警察の規模を人的側面から見ると、70年代中盤の約5万7000人から90年代中盤には約16万人まで増えているが、97年以降現在までは約14万人の水準を維持している。
検察の捜査力増強のための支援もまた、停滞状態にある。検察全体の人員は、88年4771人、97年7714人、07年9352人と増えてはいるが、犯罪の増加速度には追いつけずにいる。
凶悪犯罪の被害は、女性・子供・老人など抵抗する力がない社会的弱者に集中している。東国大警察行政学科の郭大瓊(クァク・テギョン)教授(45)は、「政府は、凶悪犯罪が急増する中で治安環境に適応できず、後を追うこともできずにいる、というのが実情。今からでも国家的レベルで知恵を絞り対策を作り上げなければならない」と語った。警察大行政学科の表蒼園(ピョ・チャンウォン)教授(43)は、「遅まきながらではあるが、韓国も先進国のように凶悪犯罪に対する専門機関を設立し専門家を養成しなければならない」と語った。
チョ・ベッコン記者
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