韓国で凶悪犯罪が激増…「主犯」は30・40代(中)
しかし、同じ期間における凶悪犯罪発生件数を年別に見ると、1967年が3495件、1977年が5303件、1987年が9298件、1997年が1万1512件、2007年が2万922件となっている。当初の3000件台から1万件台まで増加するのに20年(1967年-87年)かかっていた。次の10年間(87年-97年)は1万件台を維持した。ところが1997年を起点に年間2000件から3000件の勢いで激増し始め、わずか10年で2万件を突破した。
凶悪犯罪が急増し始めた時期(1997年)、既に韓国の人口は停滞期にさしかかっていた。その一方、「人口10万人当たりの凶悪犯罪発生件数」を意味する凶悪犯罪発生率は、1997年の25.1件から2007年には43.2件へと大きく増えた。これは、人口が急増していた1960-80年代の凶悪犯罪発生率が、67年11.6件、77年14.6件、87年22.3件と比較的緩やかに上昇していたのとは対照的な現象だ。
1960-70年代生まれの人々が凶悪犯罪者の半数を占めるようになった理由について、専門家らは第1にこの世代の人々がベビーブーム世代として扱われる年代の人に比べ数が多い、という点を挙げた。
また専門家らは、この年代の人々に特有の成長経験に注目している。1960年代生まれの人々は、幼年期に絶対貧困を経験した最後の世代であると共に、成人する時期には高度成長に入り、相対的な貧困感を体験した最初の世代でもある。また1970年代生まれの人々は、大学を卒業し社会に進出する時期にアジア通貨危機を経験した。
高麗大社会学科の金文朝(キム・ムンジョ)教授(60)は、「これらの人々は、前の世代が社会へ成功裏に進出したり安定した地位を獲得した年齢(20歳-30歳台)で通貨危機を経験し、常に雇用不安を抱え、競争に苦しんできた。生活苦と憤怒が化学反応を起こし、全般的な犯罪率上昇に繋がった可能性がある」と語った。
チョ・ベッコン記者
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