25日の産経第3社会面に、産経新聞社会部・司法記者クラブがまとめた新刊「検察VS小沢一郎 政治と金の30年戦争」(新潮社)発売の告知記事が「大きく」掲載されていました。
うーむ、いつのまに…と早速書店で「立ち読み」したのでありますが、これはけっこういい本だと思います。何より、私が以前、社会面に書いた小沢氏の「不透明な政治資金」に関する記事も取り込んでいるところが(まあ、ホンの一部ですから、印税などおいしい話は私には回ってこないでしょうが…)。
で、この記事を見て、「これは政治部としても宣伝しておかないわけにはいかない」と思い立ったので、このエントリはPRにあてたいと思います。えー、3月から6月にかけて産経紙面で4部にわたり連載した「民主党解剖」が来月後半、産経新聞出版から発刊されます。で、ただいま校正作業中なのです。
まあ、新潮社のような大手出版社ではないので、どこまで市場に流通、ありていに言えば売れてくれるかはちょっと心許ないところもあるのですが、可能であれば読んでみてください。ある程度売れないと、私ども執筆した記者たちには何の余禄も入りませんから(涙)。
これは、産経紙面で連載した記事に加筆・修正したほか、民主党の成り立ちと鳩山代表のこれまでの軌跡をたどった「鳩山由紀夫氏と民主党」(仮題)、民主党の「次の内閣」の構成について考察した「『次の内閣』とは何か」(仮題)、私が月刊WiLL5月号に書いた小沢一郎語録を一部改めた「過去の発言に見る小沢一郎氏の真実」(仮題)、民主党の「政策INDEX2008」から特徴的な政策を抜粋した資料編などで構成しています。
発行元の産経新聞出版の担当者には「かなり内容が深いから、これは売れますよ」と言われ、意を強くしているのですが、まああまり売れなくても記念・資料として残るからいいか、とも思っています。民主党について、のべ11人の記者がいろいろな角度からときに批判的に、ときに(心情的に)寄り添い書いた内容は、全体のアンカー役だった私自身、「他紙にはここまで書けまい、けっこう面白いではないか」と自負しています。
ここで紙面での連載をご存じない方のために簡単に振り返ると、連載は民主党政権の誕生を念頭に第1部「政権のかたち」、「小沢ショック」、第3部「ぶれる輪郭」、第4部「新体制の行方」と、そのときどきの党内情勢、トピックを同時進行的に取り上げつつ、民主党の政策や現状、目指すものと課題を実際の出来事、当事者たちの証言から浮き上がらせようと試みたものです。
民主党に対してかなり辛口な部分もあるので、読者からは「政権交代の邪魔をする民主党たたきではないか」「なんで小沢さんを悪く言うのか」などとの声も少なからずいただきました。でも、私たちが何を書こうと政権交代へと向かう大勢にそんなに影響があるとは頭から思っていませんし、連載の意図はもっとシンプルに「民主党とはどんな政党なのか」を考えたい、知ってほしいというものでした。
実際に読んでもらえば分かると思いますが、この連載はあくまで民主党議員、秘書、党職員など「民主党内部」の声を拾ってつくっています。単に民主党批判をしたいのなら、与党幹部でも評論家でも使えばいくらでもけなしてくれたでしょうが、私たちは実際に起きていることについて民主党議員ら自身がどう考え、本当のところどう解釈して何と語っているかにこだわってきたつもりです。
例えばこのブログでも、なぜか小沢氏批判=民主党批判と一方的に脳内変換して執拗に絡んでくる人がいますが、民主党議員の本音はそんなに単純なものではありません。親小沢の議員もいれば、とにかく消えてくれという人もいます。そういう当たり前の事実を伝えようとしたわけですし、実際に民主党議員から「きょうの産経は全くその通りだ」と言われることもありました。
また、記者の中にも小沢政権が見たいという者もいれば、私のように小沢政権だけは勘弁して、という者もいて、当然のことながら民主党に対する視線もいろいろです。そういうさまざまな見方や意見を総合しつつ、政権党になる可能性が高いからこそ問題点を指摘しておきたいという思いもありました。私個人としては、その指摘が政権党となったきに、少しでも暴走を食い止める「たが」として働いてくれれば…という願望もありましたが、それを本気で期待するほど甘くみているわけではありません。
…というわけで、本日は長々と宣伝でした。結論を言います。「できたら買ってください」。なにせ記者11人に部長の連名ですから、かなり売れないと取り分は「ゼロ」なので。いやはや勝手な言い分でした。すみません。
by wasabiorginger
ちょっと宣伝でもしてみようか…