大阪・梅田、阪急百貨店の超高層化・具体案を発表


 阪急電鉄と阪急百貨店は7日、現地建て替えを計画している梅田阪急

ビル(阪急百貨店うめだ本店、大阪市北区)の新ビル計画を正式に発表

した。規模は、S(鉄骨)一部SRC(鉄骨・鉄筋コンクリート)造、地下2階

・地上41階建て・延べ約25万2000平方メートルである。

百貨店が入る中低層部の外観は現在の面影を残し、上層部のオフィス

棟は近代的で風格ある超高層ビルになる。工事は1期(南側半分)と2

期(北側半分)に分けて実施し、本年度内に仮設店舗の建設工事に着工

、05年夏から1期工事に取りかかる予定。オフィス棟と2期工事は1期

棟がオープンする07年秋から着手する方針だ。竣工はオフィス棟が09

年秋、2期棟が11年春。設計は日建設計が担当する。

 建設地は大阪市北区角田町(敷地面積約1万7465平方メートル)。

7日に開かれた大阪市都市計画審議会で都市再生特別地区の変更が

承認されたため、容積率が1000%から1800%に緩和された。

高さ約187メートル・地上41階建て延べ25万2000平方メートルの新ビル建設が可能になった。百貨店は地下2階から地上13階までの

中低層部(延べ床面積約14万平方メートル、高さ60メートル)に入る。営業面積は8万4000平方メートルで、国内最大級の百貨店になる

。一方、14〜41階の高層部(約10万2000平方メートル)にはオフィスが入り、1フロアあたり約3500平方メートルの大型オフィスを確保

する。最高高さは梅田地区でハービス大阪(190m)に次、約187メートルになる。14階には御堂筋の景観を一望できる「スカイロビー」を

設け、百貨店とも連絡させる。

 コンコースは、現状の5000平方メートルから1万平方メートルに拡大。1階コンコースにある中央の柱をなくし、南北両端に広場を設ける

。急な階段など現状の回遊性の悪さを解消するため、地下1階レベルを地下通路とフラットにするとともに、地下1階と地上1階をつなぐエス

カレーターやエレベーターを設置、市営地下鉄や阪神電鉄方面を結ぶ交通動線のバリアフリー化を行う。さらに、現在ある2階北西部の接

続部の開口を拡幅する一方、南西部にも接続口を新設し、既存の歩道橋と新ビルを2カ所で接続し、ハービスENTなど西梅田地区との回

遊性も図る。

 建て替え工事は、隣接する既存の阪急グランドビル(高さ127m・地下2階・地上31階建て延べ約6万2000平方メートル)を現状のまま

残し、全体を2期に分けて行う。1期工事期間中は現在の営業面積6万1000平方メートルが3万7000平方メートルに減るため、準備工

事として本年度からコンコース2階部分とサン広場、現百貨店9階屋上に設ける仮設店舗(延べ約5000平方メートル)の建設に着工する。

05年夏から1期部分(南側半分)の解体工事を含む本体工事に取りかかり、1期棟が竣工する07年秋から上層部のオフィス棟の建設、

2期部分(北側半分)の解体工事に順次着手する。竣工はオフィス棟が09年秋、2期棟が11年春を予定している。

阪急の完成する2011年には、三越が大阪駅・北の超高層ビルに売り場を完成させ、大丸も大阪駅・南の超高層ビル(アクティ大阪・120m

)付近の新たに建設される高層ビルに売り場を増設する。

梅田の百貨店・売上高は、現在、東京・新宿の9割程度であるが、2010年以降、新宿を抜き日本一の百貨店の集積地となる。

また、超高層ビルを核とする商業施設の建設も相次ぎ、超高層ビル・大地下街・大規模ビルによる日本一の商業集積地となる。

  百貨店・売上高(億円)  繁華街・名称
5696  新宿(東京)
5123  梅田(大阪)
4681  日本橋(東京)
4364  池袋(東京)
3615  心斎橋・難波(大阪)
3205  横浜
3014  栄(名古屋)
2817  天王寺・阿倍野(大阪)
2256  銀座・有楽町(東京)
10 2030  渋谷(東京)
11 1583  名古屋

 (上記資料・2002年の統計)

現在の梅田阪急ビルは、1929年に御堂筋に面した南側の第1期部分(全8期)が完成し、世界初のターミナル型百貨店としてうめだ本

店が開業した。設計・施工は竹中工務店が担当した。施設規模はS、SRC造地下2階地上12階建て延べ約11万2600平方メートル。特

に第1期部分は、建設から75年が経過しているため、老朽化が目立っている。

  

      (阪急百貨店・建替え、詳細資料