右往左往…。和毅がリング外で振り回されながら、プロ全勝をキープした。
開始直後は動きがかたく、相手との距離感がつかめない。3回終盤、左ボディーブローの一撃でドトールが腰を曲げたところを一気にたたみかける。一方的な展開になったところで、レフェリーが試合を止めた。
「いろいろアクシデントがあったけど、自分のボクシングができへんかった。まだまだ、未熟やな」と不満の表情を浮かべた。
ドタバタ劇に巻き込まれた。前日計量では対戦相手が1時間半も遅刻したうえ、バンタム級のリミット(53.5キロ)より3.5キロも超過。メキシコ州ボクシングコミッションは当日計量を義務付ける騒動となり、なんとか、規定のリミットをクリアして試合は実施されたが、相手が変更される可能性もあり、気をもんでいた。
さらに、主催者サイドの通達ミスにより、試合開始は和毅が会場入りしたわずか30分後にスタートする始末。
試合前のリング上でもズッコケタ。選手紹介された際、「TAMOKI KAMODA(タモキ・カモダ)〜」と呼び間違えられてコールされた和毅は「きょうの試合は別人のTAMOKIが試合したようなもんや」。ジョークはさえたが、内容は不完全燃焼。次戦は8月にメキシコで予定する。今度は「TAMOKI」ではなく、「TOMOKI」が魅せる。