「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール アルセウス 超克(ちょうこく)の時空へ」
アフレコ取材
2009年6月9日
神々の戦い3部作、ついに完結!
<左から、ピカチュウ、北乃きいさん、中川翔子さん、髙嶋政宏さん、山寺宏一さん、ギザみみピチュー>
夏休み恒例の「劇場版ポケットモンスター」シリーズ。待望の12作目となる「劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド・パール アルセウス 超克(ちょうこく)の時空へ」は、神々の戦いを描いた3部作の完結編。幻のポケモン、アルセウスをめぐってサトシたちが冒険を繰り広げます。
6月9日、都内のスタジオにて、湯山邦彦監督同席のもと、ゲスト声優を務める髙嶋政宏さん、山寺宏一さん、中川翔子さん、北乃きいさんによるアフレコ収録が行われました。アルセウスの声を担当される美輪明宏さんからのビデオメッセージ、そしてロバートの皆さんの乱入と、数々のサプライズが巻き起こったアフレコ収録の模様をレポートいたします。
囲み取材
Q:湯山監督、ゲスト声優の皆さんの演技はいかがですか?
<ギザみみピチューも
応援に駆けつけました!> |
湯山邦彦監督
まず髙嶋さんなんですけれども、人間の信じる心、誠実さといったものを象徴したキャラクターを演じてもらっています。それをうまく表現してもらえたなと思います。山寺さんは12回目なんですが、恐らく今までで一番クールな役どころだったと思います。悪役ということになっていますが、僕の中では悪役ではなくて、ギシンはギシンなりに自分の町のことを考えて行動しているという、今までにないとてもクールな山寺さんのお芝居が見られると思います。
そして、北乃さんですが、遺跡の守り人シーナ役なんですけれど、守り人としてのアクティブなところと、ポケモンと会話することのできる神秘的なところの両面を持っているキャラクターを、とても透明感のある声でうまく表現してもらったなと思っています。
中川さんは3回目ということで、最初がポケモントレーナーという人間の役、2作目がコンピューターの中にしか存在しない映像のキャラクター、そして今回がポケモンと、だんだん人間から遠ざかっているんですけれども(笑)、ギザみみピチューというのは今回の映画のアイコン的存在になっているので、かわいくやってもらえたらなと思っていたんですけれども、予想以上にポケモンらしく、とてもかわいく演じてくれたのではないかなと思っています。
Q:髙嶋さんが今回演じられたダモスですけれども、ちょっとお顔が似ていますよね?
<髙嶋政宏さん> |
髙嶋政宏さん(ダモス役)
最初に原画を見せてもらった時に、「似てるなぁ~」と思ってビックリしました(笑)。
Q:ポケモン映画は今年で12作目ですが、これほど長く続いている理由はどんなところにあると思いますか?
髙嶋さん:
以前から、今回出演している美輪明宏さんが、「ポケモンってかわいいのよ」と稽古場でよく仰っていたんですね。それを聞いて、前作の「ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミ」を観たんですけれど、あまりのスケール感に衝撃を受けて。ピカチュウたちがかわいいんですけれど、強いじゃないですか。スケール感があって、かわいくて、強い、これがウケる理由なんだろうなと思いました。
Q:山寺さんは12作連続出演となりましたが、率直な感想はいかがですか?
<山寺宏一さん> |
山寺宏一さん(ギシン役)
今年も出させてもらえて良かったなと思いました。違う役で12本も劇場版に出させてもらうなんてなかなかないことなので、非常にありがたいことだと思っています。何事もなく、今年もやらせてもらえたことに非常に喜びを感じております。やはり、これをやって夏が来たと感じるので。
Q:中川さんたちの声優ぶりはいかがですか?
山寺さん:
しょこたんはもう3度目だし、しょこたんだからギザみみピチューなんだよね?
湯山監督:
いや、たまたま……(笑)。
山寺さん:
え、たまたまなんですか(笑)? しょこたんのために作られたのかと思ってました。そして、我が尊敬する髙嶋さんですよ。素晴らしい声をなさっていて、声優をされたらこちらの仕事がなくなるので困るなぁと。「これを機にもっと声優の仕事しよう」とか思ってませんよね(会場笑)?
髙嶋さん:
いやいや、あんなに大変だとは思わなくて。だから、尊敬しますよ、山寺さんを。本当にくじけそうになりましたからね。監督や皆さんに導いてもらって。ちょっと目の前が真っ暗になる瞬間もあったんですけれども。
山寺さん:
北乃きいちゃんはね、僕、大好きなんですよ(笑)。(北乃さんが)出演したCMのナレーションをやっていたので、勝手に応援していて。重要な役どころを演じていて、とても素晴らしかったと思います。共演できてうれしいです。
北乃きいさん(シーナ役)
本当ですか!? 私もうれしいです(笑)。
Q:中川さんはギザみみピチューという子供に大人気のキャラクターを演じてみていかがでしたか?
<中川翔子さん> |
中川翔子さん(ギザみみピチュー役)
最初に、連続で出させていただくことが決まって、それもギザみみピチューだと聞いて、姿を見た時に叫んでしまうぐらいかわいくて、もう「ギザかわゆす!」そして「ギザうれしす!」と、ギザまみれだったんです(会場笑)。監督が仰っていた通り、どんどん人間から遠ざかって「どんな声でやったらいいんだろう?」と思ったんですけれど、ついに念願のポケモンなので、「ミュウツーの逆襲」を観た小学生の時の、初めて感動で涙が出てきた瞬間の気持ちを、いまの子供たちにもポケモンの声で伝えられるようにと思っています。今までで一番「あ、生きてるんだ!」という気持ちがすんなりと出てきて、アフレコもなぜか一番スムーズにいけたので、やっぱりギザでつながっているのかもしれないなと思います。
髙嶋さん:
ギザまみれ……(会場笑)。
Q:中川さんは、主題歌も担当されているんですよね?
中川さん:
3年連続で出られるだけでもすごいのに、さらに主題歌もということで……。そうそうたる方々が歌っていた主題歌なので、本当に大役を与えてもらって、聞いた時には「ギャー!」とひっくり返ってしまいました。本当にポケモン映画は、初代の頃に生まれていなかった子たちにも、いつまでも新鮮に輝いて永遠に残り続けるすごいものだと思います。「心のアンテナ」という曲は、松本隆さんと細野晴臣さんに作ってもらった曲で、心が癒されてホッと笑顔になれるような曲なので、映画で興奮して、最後には笑顔になっていただきたいなと思います。
Q:北乃さんは、アニメーション映画の声優は初めての体験ですか?
<北乃きいさん> |
北乃さん
はい、初めてです。
Q:初めて体験してみて、いかがでしたか?
北乃さん:
初めて映画に出た時の感覚に似ていて、周りの人の表情や会話が気になって、自分に自信が持てませんでした。シーナという役が、すごく積極的でかなりしっかりしている女の子だったので、集中してできるだけ噛まないように頑張りました(会場笑)。皆さんの声がすでに入っていたので、とてもやりやすかったです。
Q:北乃さんはポケモンがお好きだと聞いたんですが?
北乃さん:
6歳ぐらいの時に初めて劇場に「ミュウツーの逆襲」を観に行って、ミュウがとても好きになりました。その時のミュウの声を、山寺さんがされていたということをさっき聞いて、すごくビックリして。
山寺さん:
そんな気をつかわなくていいんだよ(笑)。
北乃さん:
本当に大好きで、人形も持っています。その時に声の出演をしていた方と一緒にお仕事できているということが、緊張もするんですけれどうれしくて。あとは、ピカチュウとピチューとポッチャマが好きです。
Q:時代の流れを感じますか?
山寺さん:
もう、こんなオジサンでごめんなさい(笑)。すごくかわいい声で頑張ったんですけどね。
Q:髙嶋さんは声優体験は初めてですか?
髙嶋さん:
以前、NHKで「雪の女王」という連続アニメをやったんですけれど、映画をまるまる1本というのは初めてでした。以前やった時は、全員が横一列に並んでシーンごとに一歩前に出て自分のセリフを言うという風に、その場で芝居を作るスタイルだったんですけれども、今回は僕がセリフを言うと「お待ちください」と言われて、そこからシーンとなるんですよね。その間、「今のは良かったのかな……」「ブースの奥で、ひどいなって言ってるのかな」と、色々なことを思ってしまってものすごく不安でしたね。
北乃さん:
あ、分かります!
髙嶋さん:
だから、すごく神経がすり減ったというか。うめいていると、喉がつまってきてしまって、最後まで喉がもたなかったら「なんだ、こいつ。この程度なのかよ」と思われるんじゃないかと思ってヤバいなとか、ものすごいプレッシャーの中でやりました。
<皆さんの熱の入ったアフレコが楽しみ!> |
Q:今回の見どころはどんなところになりますか?
湯山監督:
美輪さんが、この世界を作った神様のようなポケモンのアルセウスを演じるんですが、前2作にも登場したギラティナ、パルキア、ディアルガも神と呼ばれしポケモンなんです。この神々の戦いという非常にスケールの大きなところに、サトシたちが関わってくるところですね。今回、初めて主人公たちがタイムスリップするんですね。神々の戦いの根源にタイムスリップしてそれを解決しようという、時間と空間を越えた壮大な冒険物語になっています。それと同時に、ピカチュウやギザみみピチューなど、当然、かわいいポケモンたちも活躍しますので、本当に見どころ満載じゃないかと思います。
■ここで、アルセウス役の美輪明宏さんからビデオコメントが届けられました!
美輪明宏さん(アルセウス役)
黄色というのは、つまり風水でお金に縁がある色ですから、家のお座敷の西の方に(ピカチュウを)親子で置いているんですよ。大きいのと小さいのとね。2階の寝室の方にも、西の方の窓際の白鳥の上にボーンとピカチュウが乗っているんですよ。私自身がピカチュウの生まれ変わりなものですからね、だから髪の毛が黄色いんですよ(会場笑)。実はピカチュウの母親なんです(笑)。
~美輪さんの大迫力のアフレコの様子も公開されました~
私、昔からピカチュウの大ファンで、お人形もたくさん持っています。かわいらしいでしょ、そして愛くるしい。その愛くるしい、かわいらしいキャラクターというものを作り出すのは、日本だけなんですよね。だから、これを本当に大事にしてほしい。これは何よりの武器だと思いますね。みんなで力を合わせれば、愛があれば、そこにものすごいエネルギーを生み出すことが証明されているんです。実際にそうでしょう。私が昔からピカチュウの映画が好きなのは、もうそこに一つの原点があると思うんですよね。みんなが友愛でもって、手に手をとって成し遂げれば、怖いものなんてないんですよということをピカチュウたちが教えてくれているような気がするんですね。
髙嶋政宏さんはじめ、出演者の皆さま、7月5日の完成披露試写会の時にお目にかかれると思っております。その時を楽しみにしております。長生きしていてください(会場笑)。
<縁起がいいピカチュウ!?> |
Q:髙嶋さんは共演されたこともありますが、実際にあのような方なんですか?
髙嶋さん:
いやいや、もうピカチュウのことは本当にお好きで、「かわいい」と仰ってました。黄色いところが大きなポイントになっているのではないかなと思います。
Q:「完成披露試写会でお会いできるのを楽しみにしている」と仰っていましたが。
中川さん:
アルセウスといったら、神々の中のさらに神、究極の存在なので「どんな方が声をあてられるのかな?」と思ったら、監督が「もう、美輪さんしかいない」と仰っていて、もうそれを聞いただけでドヒャーンと鳥肌が立つような感じでした。もう本当に神々しくて、今も「なぜあんなにも輝いていたんだろう?」と。お会いできるというのが不思議なぐらい、ありがたいなと思います。
北乃さん:
美輪さんも、山寺さんも元の声がとても素敵なんですよね。声を聞きながらアフレコしたんですけれど、現実の世界ではないのに一気に入ってしまうような声で、ものすごく素敵でした。今、アフレコの映像が見られて感激しました。お会いできる日を楽しみにしています。
山寺さん:
美輪さんとこういう形で共演できて、長年、声優をやっていて良かったなと思いました。今の映像も神々しいじゃないですか。あのお声ですし。これは劇場で何かが起きますね(会場笑)。子供たちも色々なことを劇場で感じるんじゃないですかね。アルセウスから、何かが放たれるんじゃないかという予感がします。
■ここで、美輪さんの格好をした秋山さんたちロバートの皆さんが乱入!
<サトシとポケモンの旅は今回も盛りだくさんの予感!>
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokémon (C)2009 ピカチュウプロジェクト |
ロバートの皆さん:
どうもどうも、お邪魔します~!
秋山さん:
私抜きでなんで始まってるの。私、アルセウスの声をやっているのに(と、北乃さんに近寄る秋山さん)。
北乃さん:
キャーッ!!
秋山さん:
7月のイベントの時に行こうと思ってたんだけれど、もう限界がきて、朝行こうと(会場笑)。風よ、緑よ、土よ、この世界に……。人間どもに裁きの時がきた……。
山本さん:
限界ってなんだよ! たしかにさっき、美輪さんもそう言ってたけど! そのセリフだけ覚えてたんだろ(会場笑)!
北乃さん:
怖い……。
馬場さん:
生まれ変わりのピカチュウが隣にいますよ?
山本さん:
生まれ変わりなんですよね。
秋山さん:
あのね、信じないと思うけど、私、ピカチュウの生まれ変わりなの(会場爆笑)。
山寺さん:
それもさっき言ってたことでしょう!
秋山さん:
これこれ、寺ちゃん(会場笑)。
山寺さん:
寺ちゃんじゃないよ、山ちゃんだよ! 上の方使って!
髙嶋さん:
美輪さん、今回のみんなのアフレコを聞いていかがでしたか(会場笑)?
山本さん:
ダメ出しもらおうとしてるじゃないですか!
秋山さん:
ちょっとやっぱり、最初に聞いた時は少し力が入ってるかなと思ったけど、良かったと思います。しょこたんは、ギザみみの……。実は私、言ってなかったけど、ギザみみピチューの生まれ変わりなの(会場爆笑)。
山本さん:
もう分かったよ! お前、いい加減こんなの怒られるぞ!
秋山さん:
うん、良かったわ。
中川さん:
怖い……(笑)。
秋山さん:
怖がらないで。
山本さん:
シーナ役のきいちゃんは?
秋山さん:
最初はね、「どうなるのコイツ」と思ったけれど、なかなかよくできてたわ(会場笑)。初めてなの、こういうの?
北乃さん:
はい(笑)。
秋山さん:
本当? よくできてたわ。目がきれいね(会場笑)。
馬場さん:
監督は何かないの?
秋山さん:
今回は監督らしい作品ね(会場笑)。力を入れすぎず、抜きすぎず。
山寺さん:
これ、美輪さんもご覧になりますよ。
<新キャラクターも続々登場の予感!>
(C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokémon (C)2009 ピカチュウプロジェクト |
山本さん:
怒られますよ、マズいですよ!
秋山さん:
(素に戻って)それはマズいよね(会場笑)。でも、美輪さんが来られなかった代わりだから。後ろ姿を写真に撮ってもらえば、一応、来たってことになるから(会場笑)。
髙嶋さん:
美輪さんじゃなかったんですか?
山本さん:
美輪さんじゃないでしょ、どう見ても(会場笑)! 今日は、そんなことやりに来たんじゃないでしょ?
秋山さん:
声優のお仕事をやりたくて、やりたくて、また今回出させていただけないかなと思って。最終的に、この現場に来ればなんとかなると聞きまして、監督に会いに来たんですよ。
馬場さん:
監督の見てないところで、僕たち超克をいっぱいしてきたんですよ!
山本さん:
なんでもいいんです。本当にお願いします!
湯山監督:
分かりました。前向きに検討させていただきます。
山寺さん:
え、監督、いいんですか!?
山本さん:
いいんですよね? お願いします! きいちゃん、ビックリしちゃってるけど(笑)。
秋山さん:
きいちゃん~(北乃さんに近寄る)。
北乃さん:
イヤ~ッ!!
山本さん:
おばけじゃないか、お前。
秋山さん:
お前、美輪さんになんて失礼なこと言うんだよ(会場笑)。俺のこと悪く言うと美輪さんを否定することになるんだぞ(会場笑)。
山本さん:
ならないよ!
秋山さん:
いや、本当にがんばります。
山本さん:
がんばりますので、皆さん一緒にお願いします!
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