2009年6月27日16時11分
三菱UFJ証券の全顧客148万人分の情報が持ち出された事件で、不正アクセス禁止法違反容疑などで逮捕されたシステム部元部長代理の久保英明容疑者(44)が、消費者金融から約560万円を借りていたことがわかった。同証券が警視庁に報告した額として、捜査関係者が明らかにした。
久保容疑者は情報の持ち出しが発覚した3月、同証券の内部調査に「キャバクラ通いなど遊興費に使った」と説明したという。同庁は、借金返済のために顧客情報の売却にまで手を出したとみて、裏付けを進めている。
久保容疑者の負債について同証券が警視庁に報告した内容によると、消費者金融からの借金は約560万円にのぼったほか、株式投資の損失も約84万円あったという。これとは別に、住宅ローンとして数千万円の借り入れがあった。
同庁によると、久保容疑者は顧客データベースに不正アクセスして持ち出した5万人の情報と、同証券が所有する資料を名簿業者3社に売却し、約32万8千円を得ていたという。久保容疑者は内部調査に「顧客情報を売って返済しようと思った」と説明したという。