嘉麻市議会は23日、ケーブルテレビ(CATV)を市内全域で視聴できるようにする整備費24億6870万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を賛成11、反対12で否決した。
議員からは「インターネットの基盤整備になり、情報発信・収集が容易になる」「地域間の情報格差がなくなる」といった賛成意見も出たが、「CATV全市拡張が市民に周知されていない」「どれだけの市民が加入するかわからない」「運営経費はどうなるのか」などの反対意見が相次いだ。
採決は記名投票であり、1票差で否決された。22日の予算特別委員会では賛成11、反対10で可決したが、逆の結果となった。
市によると、CATVが現在整備されているのは旧山田市のみ。全市拡張には約29億9000万円が必要だが、国の緊急経済支援対策の「公共投資臨時交付金」を活用することで市の負担は数千万円程度で済むという。
CATVで利用する光ケーブルを整備すれば、高速のインターネットが使用でき、地上デジタル放送の難視聴解消にもつながる。また、カメラを設置し独居老人の健康指導を支援するシステムにも応用できるとしている。
市はこうしたCATV拡張のメリットを議員に対し説明。ただ、3月議会で、旧山田市の老朽化した機械の買い替え費用が問題となったことを受けて決めた、CATVに関する市民アンケートをせずに交付金申請など手続きを進めたことが議員の反発を呼んだ。
松岡賛市長によると、交付金の概要が分かったのは4月下旬で、申請締め切りは5月だったため「住民に説明会を開く時間がなかった」と釈明。「国の緊急経済支援策によるCATV整備は千載一遇のチャンスだった。交付金申請の取り下げを含め、今後の対応は今週中に決めたい」と話した。
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嘉麻市議会は23日、このほか職員のボーナスを減額する条例改正の専決処分など18議案を可決・承認し閉会した。市自治基本条例案は継続審査となった。【伊藤奈々恵】
〔筑豊版〕
毎日新聞 2009年6月24日 地方版