ずらりと並ぶ県産カメラ。コンパクトデジタルカメラ、一眼レフデジタルカメラ、デジタルビデオカメラなど
一眼レフ、コンパクト、ビデオ…。カラーバリエーションまで含めると、ざっと50種類以上。大分キヤノン(国東市安岐町)の安岐、大分の両事業所で生産される製品群。従業員約4800人(直接雇用)が働く同社は、キヤノンのカメラ製品2390万台(2009年出荷計画)の大半を生み出す“世界最大の生産拠点”だ。もしや、あなたの愛用品も「県産」では?
県産カメラの代表格は、レンズが交換できる一眼レフ。大分キヤノンに全生産を集約している。高級モデルへの入門機「EOS Kiss」シリーズは趣味にはまる団塊の世代を中心に支持を集める。1機種だけで日量1万台を生産することもあるという。
大量生産を支えるのが、数人のチームで組み立てる「セル方式」。組み付ける部品はざっと1000点を超える。現場スタッフのサポート役、阿南(あなみ)枝里さん(23)=中津市出身=は「ファインダーのごみ取りなら負けませんよ。マイスター(キヤノンの優秀技能者)を目指して頑張りたい」と笑顔を見せた。
EOSが“オジさんカメラ”なら、コンパクトの「IXY」シリーズはおしゃれにこだわる若者向けか。カラフルなデザインが目を引く。松浦かおりさん(23)=杵築市出身=は「ピンク、ワインレッドなど新しい色の生産量が増えている」と話す。「1人1台」のデジカメ時代。「小型化はもう十分なレベル。個性が重視されている」。本社から研修中の入社2年目、横井慧子(さとこ)さん(23)=名古屋市出身=は「世界各国で活躍する“大分発”の製品についてしっかりと学びたい」という。
大分キヤノンは大分空港のすぐ近くで、「東京本社とのアクセスは2時間余り」(同社)。地の利を生かし、東京の開発部門と連携を強化している。着工が決まった長崎キヤノンは、大分の“弟分”になる。「世界のマザー工場として、県産カメラをさらに磨きますよ」と“三人娘”。
(経済部・安東公綱)
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