民主党の岡田克也幹事長は25日、党本部でフロノイ米国防次官と会談した。フロノイ氏は、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市移設を含む米軍再編計画について、日米合意を履行する必要性を強調した。これに対し岡田氏は「沖縄に米軍が集中しているのは第二次世界大戦中に(米軍が)占領したからだ」と指摘。普天間の県内移設に反対する立場を強調し、平行線に終わった。
フロノイ氏は、5月に国会で承認された在沖縄米海兵隊のグアム移転に関する協定にも言及し、「再編計画の進展は大事だ」と述べた。しかし岡田氏は「今の米軍基地を巡る日米関係は64年前の過去(日本の敗戦)を引きずっている」と指摘。同党が社民、国民新両党と共同の改定案をまとめている日米地位協定についても「公平なものではない」とした上で、「日米関係を長期的に安定させるために改善しなければいけない」と述べ、政権獲得後に段階的に交渉を進める考えを示した。
フロノイ氏は「普天間の問題を捨ててしまうとすべての再編計画を失い、沖縄の問題を解決するすべを失う」となおも理解を求めたが、岡田氏は「今は交渉する場ではない」と述べ、物別れに終わった。【野口武則】
毎日新聞 2009年6月25日 19時17分