実務感覚として
実務感覚という点でいうと,草なぎさんの例の事件で,「自分が受任したら無罪主張していく」という弁護士の方がいかがなものかという気がします。
「公園で全裸になったとの事実自体捏造だ」というのであれば話は変わってきますが,実際に行った行為は「犯罪かどうか」という以前に「いかがなものか」と思わせる行為であり,それでいて前科前歴がなければおそらく起訴猶予であろうということが見込まれるときに,公判請求がなされるリスクを負ってまで「嫌疑無し」での不起訴を勝ち取るに行くというのは,ハイリスク・ローリターンだからです。起訴されてしまうと,第一審で無罪判決が無事出るまでは,芸能人としては活動自粛に追い込まれる危険が高いし,そこの法解釈で無罪となっても,アイドルとしての復帰は難しくなりそうです。
もちろん,「萎縮効果」を防ぐために,争わなければ起訴猶予が見え見えでも争わなければならない事案というのもあるとは思いますが,わいせつな意図がない場合に「公園で全裸になる権利」を警察権力が妨げるのは怪しからん,みたいなアナーキーなことをいってみても始まらないように思います。泥酔ということで保護するのは構わないが逮捕するのは怪しからんという人は,しらふで同じことをする人が現れた場合,警察はそれを放置すべしという結論になるのだろうと思いますが,それはそれではた迷惑な話だし,そういうものを取り締まるためにも公然わいせつ罪は存在するのではないかという疑問をぬぐうことはできません。
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