およそあり得ない理由
矢部善朗創価大学法科大学院教授が「およそあり得ない弁護士像」というエントリーを書いています。
私も,「刑罰法規の一般予防機能に配慮して被疑者の手続的権利の行使を躊躇する弁護人」なんて現実にはほとんどいないと思います。ただし,その理由は,被疑者の手続的権利が十分に保障され,意に沿わない自白を強要されないように弁護人が活動すると,将来の犯罪被害者を増やすことになるという感覚を持ち合わせていないということにあります。起訴前弁護を担当する弁護士のほとんどは,警察官が無理矢理被疑者を「自白」に追い込むことを阻止するために活動することにより「ああ,おれは将来の犯罪被害者を増やす活動をしているのだなあ」と葛藤することなどないのです。すなわち,被疑者の手続的権利の保障と刑罰法規の一般予防機能とを対立関係に置く見解を支持している弁護士を探すことがまず困難なのです。
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Voici les sites qui parlent de およそあり得ない理由:
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被疑者・被告人の手続的権利の保障とは、被疑者・被告人が捜査及び刑事裁判において... [Lire la suite]
Notifié le le 02/06/2009 à 11:42 PM
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