裁判官らは,どの段階で菅家さんが無実であることに気がついていたのか。
足利事件に関しては,裁判官らは,どの段階で菅家さんが無実であることに気がついていたのでしょうか。
再審請求審を担当した宇都宮地裁の裁判官は気がつかれていたのではないか,と思います。だからこそ,より精度の高い方式での再鑑定を行うことを回避せざるを得なかったのでしょう。他方,彼らとしても,自分が関わらない形で菅家さんが無罪になることを拒む理由はないので,DNA鑑定資料(被害者の半袖下着)の冷凍保存を自治医大に委託したのではないか,という感じがします(鑑定資料の冷凍保存を委託しておきながら再鑑定を行わない合理的な理由が,あまり見あたりませんし。)。
その抗告審である東京高裁は,飯塚事件の被告人が森英介法務大臣(工学博士)の指示により処刑された平成20年10月に「裁判所が再鑑定を行うのなら敢えて反対しない」という内容の意見書の提出を受けて,すなわち,この事件については再審→無罪もやむ無しとの合図を受けて,漸く再鑑定を行うことを了承したのです。
では,それに先立つ公判を担当した裁判官はどうだったのでしょう。もともと当時のDNA鑑定は精度が高いものではなく「真犯人と型が一致≒被告人が真犯人」とできるような類のものではなかったわけですし,自白調書の記載には矛盾が多々あることが二審の弁護人により指摘されていたわけですから,これは怪しいと気がついていたのではないかという気がしないではありません。右陪席だった岡村稔判事(当時)も,左陪席であった長谷川憲一判事もまだご存命のようなので,このようなことを繰り返さないためにも,国会等で,特別に守秘義務を解除して,そのときの合議の状況等を語らせる等してみたらよいのでは,と思わなくはありません。
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