「捏造」という言葉が軽すぎる
相変わらず,矢部善朗創価大学法科大学院教授による中傷が続いているようです。我が地元選出の政治家,竹入義勝がかの宗教団体から受けた中傷の執拗さを思えばさもありなんといったところなのでしょうが。
一々反論している時間はないのですが,例えば,取調べの録音・録画の義務づけの可否に対して,録音録画物が一般公開されるものと誤解して反対している人がいたのでそのようなことはないと認識を正したエントリーに対し,矢部教授が,
小倉秀夫弁護士は、この問題について、「取調べを録画したビデオは一般公開されるわけではない。」においてだって,取調べの全面録音録画の義務化論者だって,録音録画したものを一般に(あるいはマスメディアに)公開することまでは主張していませんから。と言ってプライバシー侵害の心配がないかのように主張しています。
たしかに手続上は、一般公開など予定されていません。
しかし、一般公開されていないはずの情報が一般(例えばマスコミ)に流出することなど珍しくもなんともありません。
全面録画した情報をどのようにして誰が用いるのかについても議論の余地があります。
弁護人に複製を渡すというのであれば、弁護士事務所の情報管理体制が問われます。
信頼できる弁護士ばかりとは限りません。
と批判してきたので,
取調べの際に被疑者が語った内容が外部に流出する危険に関していえば,被疑者が自白に転じるまでの過程の取調べ状況が録音・録画されることによって格段に高まるわけではありません。プライバシー情報に関していえば,被疑者が自白に転じた後も被疑者の口から語られ得るものですし,現在の運用では被疑者の供述調書に被疑者やその周囲の人物に関するプライバシー情報が多数掲載されています。そして,それらの調書については,その謄写を申請する権利が弁護人に認められており,よほど節約好きの弁護人以外は謄写した調書を事務所に持ち帰って訴訟準備にあたります。しかし,「弁護士が調書を横流しする危険があるから,被疑者を取調べた結果を調書化するのはやめよう」という意見はとんと聞きません。
それなのに,プライバシー侵害の危険を,被疑者が自白に転じるまでの過程の取調べ状況が録音・録画された場合の固有の問題のように誤解させるような発言をするのはいかがなものかなあという気がします。今日パソコンで作成され,パソコン内に原文が蔵置される供述調書の方が,テープ上に録音・録画される過程の取調べ状況の音声・影像より,よほど流出する危険が高いのですが。
という反論を行いました。
これに対して,矢部教授は,
まず、私のエントリの文章を「正確に」引用した上で、私が言ってもいないことをさも私が言っているかのように書いて、それを批判するという代物です。
しかし,「弁護士が調書を横流しする危険があるから,被疑者を取調べた結果を調書化するのはやめよう」という意見はとんと聞きません。
こういう意見をいったい誰が言っていると言うのでしょうか?
と仰るのですが,「という意見はとんと聞きません。」といっているのに「こういう意見をいったい誰が言っていると言うのでしょうか?」といわれても,答えようがありません。上記文章を読んで,矢部教授が「弁護士が調書を横流しする危険があるから,被疑者を取調べた結果を調書化するのはやめよう」という意見を言っていると読む人はほぼいないのではないかと思います。私は,読み手に普通の読解力があることを期待しています。
それなのに,プライバシー侵害の危険を,被疑者が自白に転じるまでの過程の取調べ状況が録音・録画された場合の固有の問題のように誤解させるような発言をするのはいかがなものかなあという気がします。
誤解させるような発言を、誰が発言したというのでしょうか?
との点に関していえば,取調べ状況を全面的録音・録画を義務づけることの可否という論点との関係で,
全面録画した情報をどのようにして誰が用いるのかについても議論の余地があります。
弁護人に複製を渡すというのであれば、弁護士事務所の情報管理体制が問われます。
信頼できる弁護士ばかりとは限りません。
ということを言い出せば,そのように受け取られても仕方がないでしょう。取調べ状況を全面的録音・録画の義務化の可否と,捜査記録の管理の問題は本来別問題です。
不思議なことに,プライバシーの問題を強調して被疑者が自白に転じるまでの過程の取調べ状況の録音・録画に躊躇してみせる人々の大部分は,捜査機関による恣意的な被疑者のプライバシー情報の開示については,特段の問題を感じない傾向があるようです。
小倉弁護士は、私が「録音・録画に躊躇してみせる人々の大部分」に入っていると言うのでしょうか?
そりゃ,「録音・録画に躊躇してみせる人」には入っているでしょう。「プライバシーの問題を強調して被疑者が自白に転じるまでの過程の取調べ状況の録音・録画に躊躇してみせる人」への批判に,「信頼できる弁護士ばかりとは限りません」等といって,「一般公開されていないはずの情報が一般(例えばマスコミ)に流出すること」の可能性が低くないことを示して批判してきたのですから。
「捏造」っていうのは,「内部調査により、委員長在職中に自分の妻へ送った指輪の購入代金を党の会計から支出し着服横領した」との虚偽の事実を並べ立てて,公党の元委員長を執拗に中傷するような行為に対して用いる言葉ではないでしょうか。
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Voici les sites qui parlent de 「捏造」という言葉が軽すぎる:
» 小倉秀夫弁護士の捏造体質(追記あり) [モトケンブログ]
「司法取引っぽい制度」のコメント欄で、 ピオーネ(小児科医) さんの小倉秀夫弁... [Lire la suite]
Notifié le le 14/06/2009 à 12:25 PM
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