取調べ状況の全面的な録音・録画を義務づけた場合,弁護人は,その録音・録画物をどのように利用することが許されるべきか。
取調べ状況の全面的な録音・録画を義務づけた場合,弁護人は,その録音・録画物をどのように利用することが許されるべきでしょうか。
- 事務所の事務員にまず閲覧させて,問題のありそうな部分をチェックさせる。
- 上記作業を短時間で行うために,大量にアルバイトを雇って,同時並行的にチェックさせる。
- 弁護士協同組合推薦の専門業者に,上記チェックを行わせる。
- 弁護士協同組合推薦の反訳業者に,取調中に捜査官及び被疑者が語ったことを反訳させる。
- 心理学者や精神科医等に取調中の被疑者の姿を閲覧させて,その自白が任意でなされたものとはいえない旨の鑑定書を書いてもらう。
- 被疑者を被告とする損害賠償請求事件において,自白調書が原告側から提出されたときに,これを弾劾する証拠として,録音・録画物を提出する。
- 実際には被疑者が取調官に語っていないことを被疑者が語ったかのようなリークが捜査機関から流されたために(例えば被疑者が「組織」を売ったかのように誤解されて「組織」から命を狙われるなど)被疑者が一定の不利益を受けたときに,被疑者がそのようなことを語っていないことの証明するため,被疑者の同意を得て録音・録画物を,「誤解して怒っている人」に提示する。
- 被疑者が取調べ中に顔面を拳銃で撃ち抜かれて瀕死の重傷となったが,警察からは「取調官がぼんやりしている隙に,たまたま机の上に置いてあった拳銃を被疑者が手にとって自分の顔めがけてこれを撃って自殺しようとした」との発表がなされた場合において,国賠訴訟を提起した際に,取調官が自ら被疑者に向けて銃を撃ち放つ状況が映っている部分を証拠として提出する。
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Voici les sites qui parlent de 取調べ状況の全面的な録音・録画を義務づけた場合,弁護人は,その録音・録画物をどのように利用することが許されるべきか。:
» 「無条件で賛成する」ということについて [モトケンブログ]
小倉秀夫弁護士の質問の根本的な問題を指摘します。... [Lire la suite]
Notifié le le 17/06/2009 à 08:54 AM
Commentaires
一応、事務連絡としては、同じ内容のコメントを2回送信するのは、そろそろ卒業して下さい。>矢部先生。
矢部先生のコメントは原則掲載しますが、承認制ですので、すぐには掲載されません。
なお、録音録画物のチェックに関しては、事務員に補助させたり、しかるべき反訳業者に反訳させたりということは当然想定されると思うのですが、矢部先生にはそれらは「おふざけ」にしか思えないということなのでしょうか。
Rédigé par: 小倉秀夫 | le 16/06/2009 à 03:47 PM
小倉弁護士の取調べ可視化の議論に対するスタンスがよくわかるエントリですね。
おふざけならおふざけと明示したほうがいいと思いますよ。
Rédigé par: 矢部善朗 | le 16/06/2009 à 03:25 PM