サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

« 「ご苦労様,お気の毒に」 | Accueil | 取調べの可視化によって構築が難しくなる人間関係 »

20/06/2009

そこが反対の論拠の中心だったの?

 野党共同提案にかかる刑事訴訟法改正案について,矢部善朗創価大学法科大学院教授は,結局,些末的な部分を大げさに取り上げてすませようとしているあたりが何とも残念です。

 矢部教授のそのブログでの論調からすれば,取調べの可視化を推し進めることで虚偽自白が得られにくくなった分「バランス」をとるための,捜査機関の見込み通りに被疑者を処罰する仕組み(例,司法取引)の導入を条件とするか否か等が問題となるかと思っていたのですが,録音録画物の封印手続等を手直しすれば,司法取引等が導入されなくとも,取調べ状況の全面的録音録画の義務づけに賛同いただけるということでしょうか。

 いやはや,ブログ等における通常の議論で特定の法案についての賛否をお伺いして「誘導尋問だ!」と反発する方がおられるとは勉強になりました(来週の株主総会で,各号議案への賛否を諮ったときに「誘導尋問だ!」と騒ぐ方が出てこないことを祈るばかりです。取締役を務められる人材はたくさんいるにもかかわらず,特定の候補者を選任することについて是非しか伺いませんし,「基本的に賛成」とか「条件付きで賛成」という選択肢も付していません。)。私も依拠性の有無が争点となっている訴訟をいくつか抱えているので,証人尋問の際に,「あなたは,この曲を聴いたことがありましたか。」という質問をした際に「誘導尋問だ!」との異議が出ないことを祈るとしましょう(「あなたは,どんな曲を聴いたことがありましたか」とすればよいのかもしれませんが,プロの作曲家に対してそのような質問をしたら,これについての答えだけで何時間も費やしそうです。「あなたは,この曲に何かしましたか」だといかにも間抜けだし,「何の手も加えていません」って普通なら答えてしまいそうです。)。

 矢部教授におかれましては,創価大学法科大学院の学生に対しても,Webで語ったことと同じ内容で「誘導尋問」とは何かをご教授いただきたいと思います。残念ながら,私は訴訟法の講義を持っていないので,別の学生に対抗的に標準的な「誘導尋問」の講義を行うことができないのですが。

|

TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13499/45394548

Voici les sites qui parlent de そこが反対の論拠の中心だったの?:

Commentaires

Poster un commentaire