原作者側としては柔軟すぎるほどのこうした考え方の背景には、ガイナックスのスタッフの抱えている「一般の人にもエヴァを見てもらいたい」という思いがある。
そのためには、マニアではない人の目に触れる機会をどんどん増やさなくてはならない。異色とも思えるコラボを展開していったのは、そんな効果を期待してものだった。デザイン性だったり、作品の舞台であったり、切り口は何でもいいので、マニアックなファン以外の方たちの世界観でエヴァを料理してもらう。そして、それがエヴァンゲリオンや、アニメをいろいろな人に知ってもらうきっかけになればいいという考え方だ。
15年前、男性ファンが中心の作品だった『新世紀エヴァンゲリオン』。それが、多くの女性ファンをはじめ、世代や性別を問わず幅広いファンを獲得した背景には、“アニメファン”と“一般の人”の垣根を取り払いたいという、アニメファン側の思いがあった。それが、一見不釣り合いとも思えるジャンルとのコラボレーションを実現させてきたのだ。どうやら、現在のエヴァブームを見ると、彼らの願いは結実したかに見える。しかし、それもこれもエヴァンゲリオンという作品自体に魅力があってこそ。これからもまだまだ出てくるというコラボ商品と、新劇場版で展開される新たなストーリー、どちらからも目が離せない。
(文/鼠入 昌史=オフィスチタン)