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カテーテル専門医に上限 質を維持、当面千人に

2009年6月26日13時32分

 心筋梗塞(こうそく)などのカテーテル治療を行う医師らでつくる日本心血管インターベンション治療学会(理事長=一色高明・帝京大教授、医師会員5598人)は、今年新設する専門医制度で、専門医の人数を当面1千人に限ることを決めた。25日に札幌市で開かれた評議員会で承認された。

 日本専門医制評価・認定機構によれば、同機構加盟の71学会で上限を設けている学会はこれまでなかった。会員の7割ほどが専門医に認定されている学会もある。要件が緩くて質の保証としては不十分な学会もある。今回の取り組みは、そうした現状を踏まえ、要件を厳しくして専門医数を制限し、質を高めようという目的だ。今後、他の学会での取り組みを促すきっかけになると期待されている。

 カテーテル治療は、風船や金属製の管で、狭くなった血管を広げる。心臓に栄養を送る冠動脈を広げる治療(PCI)だけで実施数は年間約20万件と見られている。

 今回の専門医の認定基準では、カテーテル治療の術者として500例以上(うちPCIを300例以上)経験した人に筆記試験の受験資格を与え、合格者に実技試験を課す。

 厚生労働省は、一定の要件を満たす学会専門医を取得した場合、広告でうたえるよう02年から認めている。今回の専門医は今年11月に第1回の試験を行い、来年にも同省に広告を認めるよう申請する。(編集委員・出河雅彦)

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