検索オプション


ここから本文です

軍艦島ツアーが好調 長崎市・上陸解禁2か月 早くも8000人突破 リピーター確保に課題も

6月23日7時7分配信 西日本新聞

 かつて炭鉱の島として栄え、閉山に伴って無人島となった長崎市沖の端島(通称・軍艦島)への再上陸が解禁されて、22日で2カ月がたった。上陸者数は8000人を超え、月内にも市が設定した2万人の年間目標の半数に達する勢い。来島者の感想もおおむね好評だが、見学場所が限られていることへの不満もあり、再訪問を希望する人は6割強にとどまっている。

 「島を海上から見るクルーズに参加したことはあったが、上陸は初めて。圧倒的な迫力に驚いた」。先週末、軍艦島上陸クルーズに参加した福岡市の会社員女性(57)は感嘆の声を漏らした。

 市文化観光総務課によると、4月22日の上陸解禁以来、上陸した観光客は8212人(12日現在)。市のアンケートには、約88%が軍艦島の印象を「大変良い」「良い」と答え、満足度は高い。しかし、再上陸の希望を尋ねたところ、約36%が「一度でいい」と回答。観光客の立ち入り場所は島の南部に限られ、北部の密集する高層アパート群などは見えないことから「場所が制限されすぎている」「もっと近づきたい」などの意見が寄せられている。

 また、上陸クルーズの料金は最低でも4000円。福岡市の会社員男性(33)は「見学内容に比べ、少し高い。もう来ないと思う」と漏らした。

 軍艦島を観光資源として売り込む同市にとっては、リピーター確保が課題として浮上している形だが、島は世界遺産本登録を目指す「九州・山口の近代化産業遺産群」の構成資産の1つ。市文化観光総務課は「世界遺産登録を目指す手前、これ以上島に手は加えられず、どうしようもない」と板挟みになっており「あとは船会社の努力に任せるしかない」のが実情だ。

 これに対し、特定非営利活動法人(NPO法人)「軍艦島を世界遺産にする会」の坂本道徳理事長は「リピーターについては、3年後や5年後といった長いスパンで考えている」と語る。

 坂本さんは自ら軍艦島の案内役も務めており「観光客には、今見ている軍艦島がこれからどう変わるのか、朽ちていく姿や風化していく時間の流れを確かめてほしい」として、来島者に「メッセージ」を伝えきれるガイド養成に力を入れる考えだ。

=2009/06/23付 西日本新聞朝刊=

【関連記事】
軍艦島ツアーが好調 長崎市・上陸解禁2か月 早くも8000人突破 リピーター確保に課題も
「止まった時間」に興奮 手加えすぎない保存を 世界遺産登録推進協の専門委 軍艦島上陸
35年ぶり… 元島民感無量 軍艦島に上陸解禁 野母さん 建物に「頑張っとうな」
35年ぶり… 元島民感無量 軍艦島に上陸解禁 野母さん 建物に「頑張っとうな」

最終更新:6月23日10時26分

西日本新聞

 

長崎市

長崎市周辺の地図(縮尺1/30万)
縮尺: 1/75000の地図を表示 1/8000の地図を表示

主なニュースサイトで 軍艦島 の記事を読む

ブログパーツ

地域トピックス

今日の天気

(26日)
南部(長崎)
晴れ28℃/20℃晴れ
北部(佐世保)
晴れ28℃/20℃晴れ
壱岐対馬(厳原)
晴れ29℃/19℃晴れ
五島(福江)
晴れ26℃/19℃晴れ
2009年6月25日 17時00分発表

おすすめイベント開催情報