2009年6月25日5時4分
民主党は24日、衆院選マニフェスト(政権公約)の核となる、政策の実行手順と財源の裏付けなどを定めた財源工程表の骨格を固めた。目玉公約に充てる財源を昨年秋に固めた当初案より4兆円程度圧縮し、16兆〜17兆円とする。政権奪取後4年目の予定だった年金一元化実施を6年目に改め、ガソリン税などの暫定税率の即時撤廃は先送り。「300市町村への再編」も削除する方針だ。
民主党の財源論は、与党の追及の的となっている。政策の優先順位を見直して財源を圧縮することで、批判をかわす狙いがある。麻生内閣が大型予算編成で民主党が財源の一部に当てこむ埋蔵金に手をつけたことなどを考慮した側面もある。
政策経費を切りつめるため、初年度に実施する月2万6千円の子ども手当は、高額所得者世帯の減額などの所得制限を検討し、高速道路無料化も初年度は一部実施となりそうだ。4年目に実施する予定だった年金一元化は4年目に制度設計した後、2年間の周知期間を設定。即時実施予定だった暫定税率撤廃は2年目以降に先送りする。
小沢一郎前代表の持論として07年参院選公約に明記した「市町村数を300程度」とする分権改革目標は「平成の大合併に続いてさらなる強制合併を招く」などとする地方自治体側の反発に配慮して削除。雇用対策を新たに工程表に加える方向となった。
財源については、初年度に約5兆円、2、3年目にそれぞれ約10兆円、4年目で16兆〜17兆円を確保する、と明記した。予算の組み替えや地方への補助金の一括交付金化、無駄遣い削減などで9.1兆円を捻出(ねんしゅつ)。特別会計の積立金などの「埋蔵金」も活用して段階的に財源を確保する。
公約では「5本柱」として(1)天下り廃止・無駄遣い根絶(2)子ども手当、高校無償化など教育支援(3)年金・医療(4)地域主権(5)地球温暖化対策――を掲げる。(松田京平、蔭西晴子)