テプラ:発明者に対価支払い増額の判決 知財高裁

2009年6月25日 20時53分 更新:6月25日 21時3分

 「テプラ」の名称で製品化されたラミネート式ラベル印刷機の構造を発明したとして、ブラザー工業(名古屋市)元社員の酒井隆司さん(49)と現社員の結城英治さん(47)が、同社に計4億円の発明対価を求めた訴訟の控訴審判決で、知財高裁(中野哲弘裁判長)は25日、約3700万円の支払いを命じた1審・東京地裁判決(07年4月)を変更し、支払額を約5600万円に増やした。

 知財高裁は、酒井さんらの発明で、ブラザーは09年3月までに3000億円以上の売り上げを得たと認定。その上で、独自技術によりブラザーが得た利益を1審より高く評価した。これまでに2人が一連の発明で得た対価は計約24万円だった。

 ブラザーは86~87年に特許・実用新案を出願。生産を受託した別の会社が「テプラ」の商品名で売り出して大ヒットし、ブラザーも自社で「ピータッチ」として販売した。【伊藤一郎】

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