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結核で20代男性死亡 濃厚接触者9人も集団感染 大阪

2009年6月25日21時22分

 大阪市は25日、同市中央区の20代後半の男性が結核で死亡し、アルバイト先の同区の飲食店の同僚や元同僚、友人ら3人が発病、6人が感染する集団感染があったと発表した。男性は、発症から体調悪化で昨年末に退職するまでの約2年間にわたって店に勤務し続けていたが、同市は客への感染の可能性は低いとしている。

 市によると、男性は07年1月にせきが出始め、08年秋ごろから体調が悪化。同年12月には仕事ができなくなって退職した。09年2月10日、自宅で食事がとれず立ち上がれなくなり、運ばれた病院で検査した結果、結核と判明した。同日中に専門病院に転院したが同月23日、亡くなった。男性は一度も医師の診察を受けていなかった。

 市保健所は、男性の症状が重くなった昨年10月以降に、男性と頻繁に接触した同僚や元同僚、友人20人を対象に健診を実施。4月末までに30代前半の男性と20代後半の男女計3人の発病を確認した。ほかにも20〜30代の男性6人が感染していた。9人はいずれも通院して治療を受けている。

 発病者のうち1人の結核菌の遺伝子型が、死亡した男性のものと一致することが今月半ばに判明したため、市は集団感染と判断したという。今後、昨年9月以前に男性と頻繁に接触した約50人についても順次健診を行う予定だ。

 市によると、男性は飲食店の調理室で働いていたが、調理室は換気状態がよく、客に空気感染で移ったおそれはほぼないと市は判断している。市は会見で飲食店の店名を明かさず、現在も店は営業しているという。同店には正社員とアルバイト合わせて十数人の従業員がいるが、結核検診は正社員しか受けていなかったという。

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