(CNN) 麻薬所持の罪で実刑判決を言い渡されオハイオ州で服役していた受刑者が、評決文の不備を見つけて刑期を10年から1年に減刑されるという珍事があった。
カルバン・ウェルズ受刑者はコカインを100グラム以上所持していたとして重罪に問われ、2005年10月、同州サミット郡の裁判所で有罪の陪審評決を受け、禁固10年を言い渡された。
ところが服役中に評決文を読み返したところ、文面に不審な点があるのを見つけた。
問題の評決文は、ウェルズ受刑者が所持していたコカインの量について「exceeding ten one hundred (100)
grams(十百グラムを超す)」と書かれていた。書面を作成した職員のタイプミスで余分な「ten」が入ってしまったとみられる。
オハイオ州の法律では、重罪で有罪を宣告する場合、その犯罪がどの程度深刻かを評決文に記載することが定められている。
ウェルズ受刑者は弁護人を通じ、自分の評決文ではこの部分が意味不明になっていると主張。オハイオ州の高裁はこのほど、裁判官3人の合議でこの主張を認め、「評決文は不明確であり、『十百(100)グラム』が何を意味するのか確定できない」と認定した。
これに伴い重罪の程度も「第1級」から「第5級」に軽減され、刑期は1年に短縮された。この時点でウェルズ受刑者は既に、4年間の服役を済ませていた。
ただしウェルズ受刑者は2000年11月に、ニュージャージー州で別の容疑で指名手配されていたことが発覚。同州の捜査当局は同受刑者の身柄引き渡しを求める方針だとしている。