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【更新日】 2009年 6月24日
“アラフォー”ママが急増中 「仕事も家庭も楽しみたい」
30代後半から40代前半の女性の出生率が上がっている。仕事も家庭も「両立する」といった肩肘(ひじ)張った生き方よりも、「子供がいても、自分らしく人生を楽しみたい」と、自然体ながら欲張りに生きる女性像の変化が浮かび上がる。“アラフォー世代”の意識変革は、少子化の改善にどう影響するのか。(中島幸恵)
◆働くママはキレイ
「子供がいる生活は想像以上に楽しいし、今、心身とも最高に充実してます」。都内の食品メーカーに勤務する女性(39)は昨年3月、女児を出産し、今春から職場復帰した。
「30歳前後に出産も考えたが、責任ある仕事を任され、育児で振り回されたくなかったので出産はあきらめた」。3年前に再婚。「今後を見つめ直したとき、周囲の『出産してもきれいな働くママ』に刺激を受け、出産に踏み切った」と笑う。
先日、厚生労働省が発表した、女性1人が生涯に産む子供の平均数を示す合計特殊出生率が、平成20年は1・37と3年連続で上昇。中でも、35~44歳のいわゆる“アラフォー世代”の出産が増え、加えて第3子以上の出産が全体を底上げしている。
「出産を遅らせていた世代が自分の年齢を考えて踏み切っている。最近は『ワークライフバランス』が叫ばれ、家族を大切に考える“家庭回帰”の傾向が強い」と、国立社会保障・人口問題研究所の金子隆一・人口動向研究部長。
◆出産も仕事も楽しむ
一方、女優やモデルらが出産後も美しさを保ち、子育てを積極的にアピールして話題を集めている姿にあこがれ、幸せにあやかりたい向きもあるようだ。
女性向け月刊誌「VERY(ヴェリィ)」(光文社)は6月号で、妊娠8カ月の女優、井川遥さんの妊婦姿を掲載。同社には発売直後から同世代の女性を中心に、「妊婦でも変わらずきれい。自分もそうなりたい」といった多くの反響が寄せられたという。
「結婚、出産がネックにならない時代。出産を前向きにとらえ、強く美しく輝きたい欲張りな30代が増えている」と、今尾朝子編集長(37)は分析する。
30代の働く女性向けの雑誌「Domani(ドマーニ)」(小学館)は18年1月から、ワーキングマザーの出産、育児について、読者参加型の「Q&A」を連載し、好評だ。
「以前は『産みたいけれど、仕事と両立できるか不安』と躊躇(ちゅうちょ)していたが、最近は『産みたいから産む。もちろん、仕事も楽しみます』と肩の力がどんどん抜けて、自分が主役の人生を謳歌(おうか)したいようです」。担当者の下河辺明子さん(35)は、読者の出産に対する意識の変化をこう読み取る。
少子化問題に詳しい慶應大学経済学部の津谷典子教授(人口学)は「働きながらの子育ては、浮ついた気持ちでするものではない。少子化が改善するためには2人目、3人目と続くかどうかがひとつの課題」と指摘している。
(産経新聞)
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