松本サリン15年 河野義行さんの長男、15歳で事件直面
6月25日2時31分配信 毎日新聞
拡大写真 |
現在の心境を語る河野仁志さん。父義行さんが容疑者扱いされ苦しんだ=長野県松本市で、竹内良和撮影 |
◇心に鍵、怒りわかず……
94年6月27日午後11時9分、義行さんからの119番が事件の第一報だった。オウム真理教によるサリンの噴霧だったが、義行さんは警察やメディアから犯人視された。
仁志さんは当時15歳。サリン中毒で病院に運ばれる義行さんから「後は頼む」と言われて握手し、家族を背負う覚悟をしたという。当時、とにかく疑いを晴らそうと「平然と対応していたが、どこかで心に鍵を掛けて自分を守っていたかもしれない」と振り返る。
大学卒業後、東京で会社員になったが、母澄子さんは意識が戻らないまま08年8月に60歳で死去。かつて家族5人が暮らした家は、父1人になった。09年4月、母の供養と面影を求めて実家に戻り、現在は新たな仕事を探している。
義行さんは澄子さんが亡くなった当時「松本サリン事件は私の中で終わった」と語った。しかし、仁志さんは「(事件を)風化させる必要はない。冤罪(えんざい)を生んだ構造、(事件直後から支えとなった)永田恒治弁護士の活動や一部ジャーナリストの誠意ある対応、市民の活動など社会に問うべきことはまだたくさんある」と、今後も検証を続けるという。
事件の経験も踏まえ、5月に始まった裁判員制度には疑問を投げかける。メディアの犯人視報道で偏った世論を、同じメディアによって中和せざるをえなかった当時を振り返り「弁護側やメディアが自由に発言する権利すら狭められる点は危険だ」と考えるからだ。
仁志さんは27日、松本市内で「松本サリン事件と裁判員制度」をテーマに講演する。
【関連ニュース】
フジテレビ:家族の絆「妻よ!松本サリン事件」 ドラマとドキュメンタリーで再現
松本サリン事件:事件から15年 ドラマ化
ことば:松本サリン事件
<ニュース写真>松本サリン事件:被害者の河野澄子さん死去(08年8月5日)
オウム裁判:早川被告側、死刑回避を主張
最終更新:6月25日2時31分
Yahoo!ニュース関連記事
- 松本サリン15年 河野義行さんの長男、15歳で事件直面[photo](毎日新聞) 6月25日 2時31分
- <松本サリン15年>河野義行さんの長男、15歳で事件直面[photo](毎日新聞) 6月25日 2時31分
- 松本サリン15年…オウム元信者、河野さんへの償い(読売新聞) 6月24日14時55分
ソーシャルブックマークへ投稿 0件
この話題に関するブログ 3件
関連トピックス
主なニュースサイトで 松本サリン事件(1994年6月27日) の記事を読む
この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます
- 金品要求苦に男性自殺=2カ月で775万円恐喝か−知人男を逮捕・埼玉県警(時事通信) 24日(水)0時25分
- 元ジャニーズJr.メンバーを逮捕 失業保険不正受給の詐欺容疑で(産経新聞) 23日(火)9時59分
- <排水槽遺体>同僚会社員から聴取 被害者と交際 滋賀県警(毎日新聞) 19日(金)10時16分