Vol.20 1999 |
NHK教育「課外授業−ようこそ先輩」庵野秀明編 (99年10月31日再放送) |
「出会いをアニメで記録・庵野秀明」と題して赴いたのは故郷宇部の小学校。その6年2組で2日間授業をしたわけだが、これがけっこうハードなのだ。宿題として庵野秀明を想像して絵と文で表現→実際に庵野とQ&A(質問者も庵野もカメラに向かって)→紙アニメ制作→12歳の庵野くんをイメージするために学校外で取材→12歳の庵野くんをテーマに紙アニメ制作→そのアニメにアフレコ、という具合。庵野よりも生徒が大変そうだ。自分が小学生の時にこんな授業されたら周囲の目を気にして途方に暮れちゃうよなぁと思ったのだが、意外にも小学生たちは楽しそうに課題をこなしていく。子供たちの想像/創造力に期待したという庵野も、子供たちに囲まれていい人そうだった。給食のおかずは食べてなかったけど。 その他にも電車の中で虚ろに立ったり、すべり台の上で変身ポーズを決めたり、子供たちに課題をやらせておいて自分は撮影機材で遊んだりと、庵野ファンには見逃がせないシーンだらけ。いつの間にか首にタオルがかけてあったのも、さすがのマジックだ。
また、取材対象として実家の両親も登場していた。カレカノのビデオやLDのパッケージに庵野秀明が登場していることからしても、彼は自身の存在がひとつの大ネタになりうることに自覚的なのだろうと思ってはいたけれど、自分の過去やプライベートもさらけだせるほど割り切っているのかと感心。しかしその一方で庵野はナイーヴな発言もするわけで、表現と自我の微妙なバランスが垣間見える番組だった。
(NOV/22/99)
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