◆ 「断る力」の真髄・「池田理代子」さんのこと2009.4.24

混沌とした現代、

社会や企業、家庭から求められることの質と量が変化し、

一段と複雑多様化した時代を迎えております。




そうしたさまざまに求められる欲求のうちのなにを「断わり」

なにを「断わらない」か、その選択を間違うと人間関係にトラブルが生じ、

仕事がスムーズにいかなくなる困難に直面することとなるのであります。




また「断る力」を発揮できぬまま「忍従の日々」を過ごしストレスを抱えこみますと、

草なぎクンのような突然の「チンポ丸出しテロ」を引き起こし、苦い経験をすること

になるのでございます。




勝間和代女史は著書「断る力」で「断らなくても嫌われることはゼロに出来ないのだから、

断ることで(嫌われる)リスクを恐れてはいけない」と明解なのであります。




しかし「断る」ことで人生の瀬と際に立たされるかも知れないおそれのある立場の

人間にとって、そうした歯切れのいい解説は「絵空ごと」にしか聞こえない

のでございます。




相手に少しでも嫌われないような「断る力」を必死で模索している読者は、

もっと具体的な、より立証的な「断る力」の「伝授」を期待している

のであります。




このたびの勝間女史の著書が、現代において最も必要とされるテーマを語りながら

またしても「観念論」満載でしかなかったことは残念であります。




多くの女性にとって「断る力」が問われるのは「肉体関係」を求められたとき

でございます。以然として男性優位な男社会にあって社会進出に成功した

一定レベル以上の美貌の持主にとって「この問題」は深刻であります。




好きでもなく付き合った形跡もない前後左右上から下からの男達から飛んでくる

「ヤらせろ」コールをいかにやりすごすか、に多大なエネルギーの浪費を

強いられているのでございます。




女性キャスターや女子アナがまだ本心では「独身生活」をエンジョイしたいのに、

早々に恋人宣言をしたり結婚に踏み切るのも、そうした日々の「ヤらせろコール」

の雨、嵐がごとき攻撃に疲れ耐えきれなくなったため、というケースが少なくない

のでございます。




そうした芸能界にあって「有効である」と知られていた「断る力」がございます。

それは俗に「島田陽子の許して・・・」と言われるものでございます。

(注・島田楊子ではなくあくまでも島田陽子のことでございます。)




この「噂」には「複数」の男が登場致します。要するに何人もの男が「島田陽子」

の「断る力」に「屈服」した、ということでございます。




男たちに「共通」の「立場」が見られます。いずれも「島田陽子」と「肉体関係」

を結ぶことを「条件」に彼女に百萬円以上の多額な金を「支払った」あるいは

「借した」という「立場」の男であるということでございます。




男たちは「条件」の「履行」せまってめでたく「島田陽子」と「密室」で二人きり

になることに「成功」します。こうした金で著名な女優の体を買うことを望む男

に例外なく見られる特徴はせっかちで「元を取りたい」「オマ○コしたい」

の二心が先ばしり、やおら彼女を押し倒す挙に出るところでございます。




しかしさすが国際派女優「島田陽子」でございます。少しもあわてず騒がず興奮の頂に

昇りつめ、いましも過呼吸となって脳梗塞を起こしかねない状態の、脂ぎった男

の耳元にこう囁くのでございます。




「許して・・・メンス三日目なの。オリモノが一番多い日なの。恥しい・・・

今度にして」この耳元での懇願するがのごとき囁きを聞いて、

「ならぬ」となおも強行突破をはかろうとする男は少数派でございます。




なにせ相手は高名な女優でございます。プライドがハンパじゃないのでございます。

「売りもの買いもの」と無理強いすることは、はばかられます。「今度にして・・・」

の言葉を信じて解き放ち、再開を約してお別れすることとなるのでありました。




がそれがこの世での眼の前で生身の彼女を見るのは最後、となるのでありました。

何故なら彼女とは音信不通となり、全く連絡が取れなくなるからでございます。




しかしこのことが表沙汰となりスキャンダルとなることはありませんでした。

「体」を「目的」に金を出したのが逃げられた、と騒ぐことは男として

姑券にかかわることだからでございます。ましてやそうした「事実」が世間に

知られることにでもなったら「社会的信用」を失うことになりかねないのです。




噂された「島田陽子の許して・・・」の「断る力」とは、相手を自分の土俵に

引きずり込んで勇み足を誘い「なにごともなかったことにしてしまう力」

でもあるのでございました。




まさしく「断る力」の「理想形」でございます。

またこの噂された「島田陽子の許して・・・」の「断る力」の凄いところは

「人によって道を説く」賢さが見られるところでございます。




複数の男たちみんなに「許して・・・メンス」の同じ文句を囁いていた

のではなかったのでした。強情な男、知的な男、ワガママな男、相手によって

繰り出すセリフを全部変え使い分けていたのでございます。




「突然腸ネンテンを発症し七転八倒となり、救急車を呼ぶ騒ぎとなった」

「子宮筋腫の手術を受けた三日後と云い、眼の前で薬を飲まれた」

「性病にかかっている、と診断書までみせられた」と、実に「許して・・・」の

次の「囁き」はバラエティーに富んでいるのでございました。




ことの「真雁」は別にして、相手に応じて演じ方やセリフを変える七変化ぶりは

さすが「国際派女優島田陽子」の面目躍如たるものがあると、

噂の「島田陽子の許して・・・」の「断る力」の評価は、

いやさかのものとなったのでございます。




「性病に患かっているの」の囁きが芸能界でも一時流行したことがございます。

私もその「被害」にあった一人です。相手は「歌手志望」のアイドル志願

の20歳の女の娘でした。




互いに素ッ裸となってカラミ合い、いざ「侵入」を果たす間際までいったとき

でございます。耳元で「同棲している彼氏に性病をうつされちゃって病院に

通っているんです」のアイドル志願の囁きを喰らったのでございます。




なにをチョコザイな、この期に及んで、と怒りを覚えたのでございますが、

私とて「帝王」でございます。グッとこらえて「薬は何を飲んでるの?」

と優しく問うたのでございました。




さすれば「抗生物質を飲んでいます」の、打てば響くがごとくの答えでございます。

「抗生物質を飲んでいるオシッコなら辛いはず、それに大好きな君のオシッコ

を飲める証拠を見せる良い機会だから、僕にオシッコを飲ませてごらん」

とお風呂場に誘いました。




洗い場に立った彼女の股間にもぐり込み、その根元にむかって「さあ遠慮しないで、

いっぱい出してごらん」と顔を寄せたものでございます。その殺那、

でございました。




彼女の膣部からまるで水道水の蛇口から放出されるような勢いで

「聖水」が放出され、私めの顔面を襲ったのでございました。虚を突かれて、

口いっぱいにその「聖水」を含み、ゴックンといただいた私めでございます。




いやあー、その「聖水」の辛かったことのなんの、まさしくそれは「抗生物質」

を「含んだ」証拠の「辛さ」でありました。彼女は正直者だったのです。




流行の「性病にかかっているの」のセリフにまどわされ、正直者を「嘘つき」

と疑った罰を受けたのでございました。




「聖水」は眼にも入りました。「目の玉」がヒリヒリと痛み出しました。

失明の危機!?あわてて眼科医にかけ込みました。「正直者」の

「アイドル志願」の女の娘とはそれっきりとなりました。




数年まえのことでございます。久しぶりに彼女と再会しました。

ある女性週刊誌のグラビアページに「香港の大財閥の御曹子に嫁入りした

元アイドルの日本女性」として彼女が紹介されていたのです。




鼻がピノキオのように「変形」していましたが、二女の母親となって

幸福に溢れた「正直者」の笑顔がそこにありました。




「断る力」とはいかなるものか、その真髄を教えられた女性がいます。




漫画家の「池田理代子」氏でございます。

「ベルサイユのばら」で一世を風靡した時代からちょっとあと

の頃でございます。彼女の年齢が30歳中ば、美しく女盛りでございました。

そこで「彼女のプロモーションビデオを撮ろう」という話となりました。




「監督」のご指名を受けてロケ地、ハワイに行きました。撮影も順調に進んで

五日目の夜11時を廻った時間、でございます。ホテルの私の室に彼女から

電話がかかってきたのでございます。




「もしもし、池田でございます。監督さんでございますか」

「は、はい。」




まぎれもない彼女の声に不意をつかれて驚きました。




「あのう、ちょっとご相談したいことがございますの。

よろしければお時間をご都合していただけないでしょうか」




ということで、それから30分後にホテルの一階にある

屋外ラウンジで会うことになったのでございます。




真夜中、でございます。それも十分に人の世のことは熟知した、

大人の男と女の深夜の語り合いでございます。




それから先、なにごとが起ころうとも

不思議なことはない完璧なシチュエーション

でございます。




「監督になってよかった」とそのとき心から思いました。

「こんなタナボタがあるとは」夢ごこち、でございます。




ヘンな臭いがあって嫌われてはならない、急いでシャワーを浴びました。

頭の中ではせめる順番からお好みの体位までが、かけめぐっていました。

短い時間の間に完全に三回戦までのシミュレーションは組み立て終えてました。

どれもは最後はバックでフィニッシュをすることに決めました。




自分で申すのもなんですが、こうしたときの集中力はバツグンのものがあり、

かのミケランジェロをしのぐものがあると自負するものでございます。




あなどられることないようとりあえず一回浴室で抜いておこうか

と考えましたが時間が無いので断念しました。オミヤゲ用に買っておいた

白地のアロハを着て約束の時間にキッカリ一階のラウンジに行きました。




彼女は遂に席についていました。両肩を出した素スキなドレスを着ています。

いままでにない美しさ、でございます。




テーブルには鮮明なブルーな色のハワイアンドリンクが

置かれてありました。テーブルのそばで燃えさかるタイマツの炎

が彼女の右頬を赤く照らし揺れていました。彼女がとてもなまめかしく

「燃えているように」みえました。




まっすぐに見すえてくる強く輝くまなざしが

「今夜は何回やってもいいのよ」

と誘っているように思えました。




「監督さん、私のどんなところがお好きですの」

直線的、でございます。小娘のようなこざいく、が全くないのです。

これだから大人の女性は素晴らしい、のです。




「全部、大好きです」と私。大をつけたのは

(僕はアナタの期待は絶対裏切らないでご満足いただけるまでやりまくります)

の意思表示でございます。




「オホホ、うれしいわ監督さんにそんなお上手を言っていただけて」

「いや、お世辞じゃありません、本当です」

もはや担任の女の先生に、課外個人授業を受けている小学校五年生二学期、

の心境でございます。




「私の太股、どうかしら」

「だ、だイすキでス。」  声がかすれて出ていました。

「私の足から太股にかけてのライン・・・」

「最高だ、と思います」




ハく息と吸う息の順番を間違えそうになっていました。




序盤戦から一気呵成に言葉責めでくるとは、なんとさすが日本一のベストセラー漫画家

でありましょうか。




「そう、大好きだからこの五日間、いつも私の足からのライン

を撮ってらっしゃったのね」




「はい、その通りでございます」お代官さま、

ともはや訴え出たお白州での百姓の心境ごときとなってございます。




次にくるのは「それじゃ、つけ根はどうかしら」でありましょうか、

はたまた思いっきり「ビラビラは」とくるのでありましょうか。




あのときほど持てる知的細胞を、DVD盤のようにめまぐるしく

回転させたことはなかったような気がします。




彼女はジット濡れた瞳で私を見つめています。

大人の、何でも知っている、ヤれるしシこたまヤってきた熟れた女の体を持つ持主特有

の「眼」でございます。




クイズミリオネア、ファイナルアンサーの局面でございます。

今夜のためにひときわ赤く塗ったと思われる濡れた口唇を静かに開きました。




(この口唇に噛わえられることがかなうなら100日命が縮んでもかまいません)

心の中で神様にソッと手を合わせました。




「嫌いなんです」

「・・・え!?」

「私、足から太股のライン、大嫌いなんです」

「ど・・・どうしてでしょう」

「私の足から太股のライン、まっすぐでしょう。ホロコーストの足みたいで

自信がないんです。だから嫌い。監督さん、明日からの撮影では、

足から太股のラインをお撮りになることは絶対にお止めになって下さい、

よろしいでしょうか。」




「は、はい、で・・・でも」

「お願い聞いていただけるのね」

「は、はい、 し、しかし・・・」

「まあ、うれしい、お約束いただけて・・」一方的なファイナルアンサーとなりました。

艶然とした微笑を見せながら席を立つ彼女、スリットの入ったドレスの割れ目から

ステキな足のラインをのぞかせていました。

「監督さん、あなたがどうしても私の足から太股のラインがお好きだ、

とおっしゃるのなら個人的にいくらでもご覧いただいても結構ですのよ、

いまから私の室にご一緒なさいます。」




「・・・・・・」きっと私は涙目になっていたのでしょう。

「オホホホ・・・」

ひときわ高く色めいた笑い声を残して、

彼女の姿はエレベーターホールに消えたのでありました。




あのときどうして「はい、それではご一緒してお室でジックリ拝見します」

と言い返して席を立たなかったのでありましょうか。ずい分時間を経った今でも

フ抜けのようになって座ったままの、腰抜け状態であった自分がくやしく思えてなりません。




しかしそれを許さなかったもの、とは彼女の持つ人間の「気貴さ」でありました。

それから残された数日間の撮影で、私は彼女の望む通り

「足から太股にかけてのライン」を撮影することはありませんでした。




日本に帰へって来て編集を終え、

彼女に最終チェックをしてもらった日に

騒動が起きました。




作品の中で彼女のバストが薄いレースのブラウス越しにですが

見えるシーンがありました。そのシーンを削除しろ、しないで

彼女の事務所側と約2日間に渡ってもめたのです。




彼女も編集スタジオ近くの24時間営業の喫茶に陣取って

原稿を持ち込みながらことの推移を見守る、

という状態となったのです。




そのときの彼女の事務所側の代表となっていたのが池田満寿夫氏の映画

「エーゲ海に捧ぐ」のプロデューサをした人物で、彼は実にコワモテなの

でございました。




右翼やヤクザの名前を出し「いまから人を呼んできて、編集所ごと

ブチ壊す」などとブッそうなことを平気で言う男でございました。

もめにもめてラチがあかず、最後は直接当事者の私が彼女と会って

話をつけることとなりました。




彼女の待機する喫茶に行きますと、

何人かの取り巻きのなかに彼女がいました。




「監督さん、私のご要望はきいていただけますよね」と彼女。

「いいえ、これ以上の譲歩はできかねます」




一瞬の沈黙の時間が流れました。




「分かりました。私とて創作にたずさわっている身でございます。

監督さんの作家としての立場を尊重します。

どうぞ監督さんのお好きなようになさって下さい。」




軽く会釈して、決然として彼女は喫茶室を出て行ったのであります。

あわてて彼女を追いかける取り巻きの人間たち。

「覚えてろ、ただぢやすまないよ」プロデューサーの男も捨てゼリフを残して去って行きました。




編集所に戻った私は、彼女のあからさまにバストトップが映ったシーン

を3分の1にカットしました。




つまるところ「断る力」とは相手を惚れさせることのできる「人間力」の

ことでございます。相手を敬い、尊敬することが出来れば、

そうした「断る力」は「容易」に自然と発揮できるのでございます。




芸能界でこの「断る力」を「恫喝」と勘違いしている者たちがおります。

たとえば「ほしのあき」が所属するプロダクションのマネージャーのS女史

などはその「典型」でございます。




S女史の「恫喝」の手口は、ことあるごとに言う「訴えるわよ」の言葉でございます。

相手は雑誌であれマスコミ関係者であれ、些細なことでも気に入らないこと

があればすぐ「訴えるわよ」と喚くのであります。




「喚かれた」相手はマスコミに暮すものとはいえサラリーマンであります。

たとえ自分に非がないことでも「訴えられた」とあっては一大事となる弱い立場の人間な
のであります。




「訴えるわよ」とやって一人前の社会人の男を腰くだけにして

喜んでいる、真性SのS女史の「訴えるわよ」の快進撃はとどまるところ

を知らないのでございます。




女性の「断る力」の「巧さ」や「凄さ」と比べて男性の「断る力」で

印象的な存在は思い浮かびません。




私の知人で付き合った彼女との別れ話が難行すると、

すぐ同衾していた布団の中で、脱糞する、という男がおります。




相手によってはこれを「寝ショベン」とすることもあるそうですが、いずれにしてもこう

したやり方などは

「断る力」というより、破れかぶれの「禁じ手」

の分野の話でございます。




男で一人、印象的な男がおります。モッくんでございます。

さきごろアカデミー賞を受賞した「おくりびと」のモッくんのことでございます。




ひと昔前のことでございます。K田投手の元恋人アニータ、

なるAV作品を撮ったことがございます。




アニータは欧米のブランドの専属として名の売れたトップモデルでした。

K田投手とは「桑田」投手のことでございます。




当時のマスコミに対しては、彼女は桑田投手と別れたことで吹っ切れて

「AV」に出た、ということにしておりました

が事実は違いました。




実際桑田投手と付き合っていたことは間違いないのですが、

彼女の本命はモッくんでした。

桑田投手と付き合う前はモッくんと「同棲」していたのであります。




どうしてモッくんと別れることになったのか、

アニータの言い分によればそれはモッくんがアニータより

「ホモ」だちの風間トオル君たちとの付き合いを優先したから、

だそうであります。




その「ホモ」の確定的現場を見た上でのことなのか、それとも「単なる噂にヤキモチ

を焼いたのか」判然とはしませんでした。アニータはもっと具体的なことを

何か言っていたように思いますが、思い出せません。




いずれにせよ「大好き」だった「モッくん」に振られた結果

アニータは桑田投手に乗り換え、その桑田投手ともうまくいかずにAV出演となったので

ありました。




別れた女に対しては「脱糞」や「寝ションベン」で対抗するのではなく、

男友達の肩をソッと噛んでいる姿を女に盗み見させる、そんなスマートさをもってモッくんは

「断る力」を発揮したのでありましょうか。さすがアカデミー受賞の名優は、そんじょそこらの

脱糞野郎とはセンスが違いすぎなのでございます。





現在アニータはAV出演で得た千万単位の金額を元手に故郷の米国に帰へり

タクシー会社のオーナーとなっております。

(このところが同じアニータでも南米のアニータとは違うところでございます。)




アカデミーの赤じゅうたんを踏みしめて歩くモッくんの雄姿を見て、アニータはいかなる感慨を

もったでありましょうか、機会があったら今度、是非聞いてみたい気がいたしております。