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『 肝臓癌について 』
肝臓にできる癌には、原発性(肝臓内の細胞から発生するもの)と転移性(他臓器の癌が肝臓に転移して発生する)がありますが、今回は原発性肝癌について述べます。
原発性肝癌は、胃癌、肺癌についで死亡者数第3位の癌で、最近の20年間で死亡者数が約3倍と増加しています。男女比では3:1と男性に多く、また地域分布では西日本に多いとされています。
原発性肝癌のなかで約95%は肝細胞癌といわれる癌で、B型肝炎・C型肝炎などの肝炎ウィルスが発癌に大きく関わっています。したがって肝細胞癌患者さんは、これらの肝炎ウィルス陽性で、それに伴う慢性肝炎や肝硬変の状態の方がほとんどです。
診断方法は、採血による腫瘍マーカー(AFP、PIVKAU)の測定、CTや超音波(エコー)検査などで行っていきます。もちろん、これらの検査は外来通院で可能な検査です。
さて、治療法ですが、最近ではいくつかの有効な治療法がいわれています。主な治療法を挙げますと、
1)肝切除、腹腔鏡補助下肝切除 :開腹手術により腫瘍を切除する方法で、腫瘍の状態によっては腹腔鏡を用いて、より小さな傷で切除を行うことも可能です。
2)TAE(肝動脈塞栓術) :太腿の動脈からカテーテルを肝臓の動脈まで進め、腫瘍を栄養している血管をつめてしまうことにより腫瘍を壊死させてしまう方法。
3)RFA(ラジオ波焼灼療法) :超音波でみながら、腫瘍に特殊な針を刺し、その針からラジオ波を放出させて腫瘍を焼いていく方法。
4)PEI(経皮的エタノール注入療法) :超音波でみながら、腫瘍に針を刺し、腫瘍内に高濃度エタノールを注入し、腫瘍を壊死させる方法。
これらの治療法の選択にあたっては、腫瘍の状態(個数、大きさ、存在部位)や肝予備能といわれる慢性肝炎や肝硬変の程度の評価が重要となります。さらに、これらを組み合わせて治療を行う場合もあります。やはり、肝機能が比較的良い段階で、腫瘍が小さな状態で診断されれば、治療法の選択枝が広がることになります。
当院では、これらの治療を外科、消化器内科、放射線科で行っています。治療法を選択するにあたっては、週1回合同でカンファレンスを行っているのをはじめ、密に連携をとることにより、より効果的な治療を行えるよう努力しています。
肝臓のことが気になる方、肝炎といわれたことがある方など是非早めに診察、検査を受けて頂きたいと思います。
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