大相撲第58代横綱、千代の富士(現九重親方)の次女、秋元梢(21)が23日、都内で行われた米ドラマのイベントにモデルとして出演し、芸能界デビューを果たした。100人を超える報道陣を前に、黒のワンピース姿でランウェイを歩いた秋元は、まぶしいばかりのフラッシュに動じることなく、父譲り、“横綱級”の度胸を見せつけた。
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日本の国技を支えた名横綱の娘が、芸能界という“土俵”に足を踏み出した。
史上最多の通算勝ち星1045勝、史上2位の通算31回の幕内最高優勝を誇る千代の富士が、1988年5月場所に優勝した際の記念撮影で、優勝杯とともに腕の中に大事に抱えていたあの赤ちゃんが、時を経てモデルデビューを飾った。
秋元の“初土俵”は、テレビ東京系で7月15日から放送されることが決まった米人気ドラマ「THE HILLS」(水曜深夜0・43)の制作発表でのファッションショー。黒のLAファッションに身を包んで登場すると、印象的な真っすぐで長い黒髪、そしてウルフと呼ばれた父譲りの眼光鋭い“目力”でカメラマンの視線をくぎ付けにした。
大手芸能事務所「レプロ」と今年1月に関係者の紹介をきっかけに契約。同事務所は、東洋系の美しさを称する「アジアンビューティー」としての素材にほれ込み、契約を済ませたが、秋元は当時、父親が国民栄誉賞をも受賞した昭和の大横綱であることを知らせず、自身の実力でデビュー切符をつかんだ。
夢の舞台に立った秋元は笑顔で「始まる前はすごく緊張しましたが、歩いてみたらまったく緊張しませんでした」と大物ぶりをみせ、「父の存在を抜かすようにがんばりたい」と“横綱級”の目標を掲げた。父には今年に入って芸能界への夢を相談。「やりたいことをやれ」と応援されたという。
同ドラマのナビゲーターを務める事務所の先輩、マリエ(22)が「(元横綱の)あんな大きな体からこんなきゃしゃな体が生まれるなんて」と感心?すると、秋元は「お父さんが産んでないので」と笑顔でツッコむ余裕もみせた。今後はモデルを中心に幅広い芸能活動を目指す。
88年5月場所の写真を携帯の待ち受け画面にしているという秋元。ちなみに理想の男性は「お父さんに勝てる人」というからハードルはとてつもなく高い。