どげんかせんといかん。それは宮崎県を指してのはずだったが、「基本線」は“そのまんま”に東国原知事は真顔で訴えた。
「宮崎が廃(すた)れるとの考えだろうけど、違う。宮崎のために国政に行く。国政を変えるために行く」
東国原知事は県庁で記者団に囲まれ、こう言い切った。さらに「麻生太郎首相の次に自分が総裁になるのではない。総裁候補の1人として衆院選の顔になるということ。いたって真剣だ。ふざけたり、おちょくっていることはない」。事実上の出馬宣言だった。
また、東国原知事は23日午後に続き、同日夜も古賀誠選対委員長(68)と宮崎市内で会食したと明かした。これも“やる気度”を物語っているといえる。
「古賀氏が宮崎に行ったことは大きな意味がある。ただ、東国原知事はすぐに受けると両者がつるんでいると国民に受け取られるだけ。そこで総裁候補などの条件を出して、それだけ変われる自民党ならと国民も納得するという流れだ」
政治評論家の有馬晴海氏の分析だ。となるとあとは“条件闘争”か。23日夜の古賀選対委員長との会食では選挙区やポストなどの提示については「全くない」(東国原知事)というものの、「大臣の可能性は高い」(有馬氏)。
問題になりそうなのは党内の反発だが、東国原知事は24日、自民党内から噴出した批判に「“頭を冷やしたほうがいい”と批判する人のほうが下野して頭を冷やし、顔を洗ったほうがいい」と反撃した。
“期待値”も相当高まっている。有馬氏は「党内に『東国原劇場』と話す議員もいる」という。「自民党をぶっ壊す」と公言し2005年の総選挙で大勝利を収めた小泉純一郎元首相の「小泉劇場」になぞらえているというのだ。
自民党から出馬したはいいが、政権交代が起きる可能性はある。「野党になったらしょうがない。そのときは民主党の政治をチェックするだけ東国原知事。そのしたたかさは早くも国会議員の貫禄だった。