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キルギス米軍基地、事実上存続へ 非軍事物資の輸送拠点

2009年6月23日21時32分

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 【モスクワ=副島英樹】アフガニスタンでの米軍の対テロ作戦の支援拠点となってきたキルギスのマナス米空軍基地について、キルギスと米国は非軍事物資の「中継輸送センター」として使用することで合意した。キルギスは今年8月の基地閉鎖を決めていたが、アフガン安定化を優先課題に掲げるオバマ政権が継続を求めていた。非軍事に限定されるが、米国の足場が事実上存続することになる。

 インタファクス通信によると、キルギス議会の国防委員会は23日、両国政府の合意を了承した。サルバエフ外相は、合意は1年間の時限的なものだとしている。また、合意された中継輸送センターの使用料は6千万ドル(約57億円)で、これまでの基地年間使用料1750万ドル(約17億円)の3倍以上になる。

 米空軍基地は、01年の米同時多発テロを受けて首都ビシケク郊外のマナス空港に置かれ、約1500人の外国部隊が駐留。インフラが整い、比較的治安が安定した場所にある同基地は利便性が高く、米国としては作戦を進める上で重要な拠点だ。

 しかし、旧ソ連の中央アジア地域で影響力保持を狙うロシアが、経済危機に苦しむキルギスに20億ドルの財政支援を提供し、それと引き換えのようにキルギスは今年2月、米軍基地閉鎖の方針を決めた。

 その後、オバマ政権が発足して米ロ間に協調への空気が生まれると、ロシアのメドベージェフ大統領は米軍や北大西洋条約機構(NATO)によるアフガン安定化作戦に対し、物資輸送のルート提供など一定の協力姿勢を示すようになっていた。

 中ロや中央アジアでつくる上海協力機構(SCO)の首脳会議が今月ロシアで開かれた際には、アフガン支援が主要議題となり、同国のカルザイ大統領も招かれた。同大統領はキルギスのバキエフ大統領に支援拠点の継続を要請、ロシアも条件付きで容認したと見られる。

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