迂回(うかい)献金疑惑を報じられた与謝野財務相、問題があれば返金する可能性を示唆

6月25日0時12分配信 フジテレビ

宮崎県の東国原 英夫知事への衆議院選挙出馬要請が、自民党内に大きな波紋を広げている。「総裁のいす」を条件に挙げた当の東国原知事は、「わたしは至って真剣。まじめに言っている」と述べている。
都議選の応援に力を入れる麻生太郎首相。
麻生首相は、東京・世田谷区で「今回当選をいたしますと、次の衆議院につながっていく、1つの大きなきっかけにもなると思っていますんで」と述べた。
解散総選挙を控えて、「爆弾発言」に自民党が揺れている。
自民党の鳩山邦夫前総務相は「こけにされたというか、なめられたというか」と述べた。
自民党の山本 拓議員は「前倒しを実現して、東国原知事にも総裁選に出てきてほしいと」と話した。
また、自民党の細田博之幹事長は「ジョークだと思いますから」と話した。
自民党の古賀 誠選対委員長からの出馬要請に、「総裁のいす」を条件に挙げた東国原知事。
東国原知事は、「(古賀氏は)自浄能力がもうないんじゃないかと、おっしゃってました。なめているわけでも、おちょくっているわけでも一切ないですから。わたしは、この国を変えていかんと、そう思っていますから」と述べた。
東国原知事は、「総裁候補」にすることなどを条件としたうえで、「国政へ行く」と意欲を示した。
しかし、一部の議員からは、厳しい声も上がった。
自民党の松浪 健四郎議員は「東国原君、顔を洗って(出直して)くれたまえ」と述べた。
これについて、東国原知事は「頭を冷やして、顔を洗って出直してこいと言われた方もいらっしゃるんでしょうけども、まあどうなんでしょうかね。1回下野されて、そちらの方が頭を冷やされて、顔を洗われた方がいいんじゃないですかね」とやり返した。
東国原知事は、「旧態依然の体質だ」と、自民党に危機感を示している。
盟友の橋下 徹大阪府知事からは、「すごいですね、東国原知事。自民党さんとこういう形で真っ向勝負するなんていうのは、ちょっとすごすぎますね」とエールが送られた。
東国原知事との会談は独断で決めたと説明する古賀選対委員長に対しても、批判が渦巻いている。
自民党の丸山和也議員は「自民党そのものを否定するようなことになるし、これは情けないんじゃないですかということを申し上げた。場合によってはね、きちっとした責任を果たしてくださいと」と話した。
また、自民党の大物議員は「なめられきってる。まるでネギをしょったカモだ」と述べた。
その古賀選対委員長は、「(選対委員長として)選挙に戦える人材をお願いするというのが大きな責任だと思っていますから。私がお訪ねしてお願いをしたということに、何の後悔もございません」と話した。
一方、野党は「なりふり構わぬ取り組み」と批判した。
民主党の鳩山 由紀夫代表は「いよいよ、自民党もここまできたかと」と述べた。
国民新党の亀井静香代表代行は「切羽詰まっているんだろうね。今度は橋下知事のところに行くんじゃないか」と話した。
こうした中、麻生首相は24日夜、与党幹部と会談し、終盤国会の運営などについて話し合った。
自民党の大島国対委員長は「与党として、最低でも過半数を取らなければいかんなあという思いは、総理は何もおっしゃいませんですけども、与党としてそういう思いで共通した認識を持った」と話した。
東国原知事の擁立、総裁選の前倒しと、頭を抱える麻生首相に、新たな火の粉が降りかかった。
与謝野財務相に、迂回(うかい)献金疑惑が浮上した。
24日の衆院・決算行政監視委で、民主党の横光克彦衆院議員は「企業からですね、迂回献金があったのではないかと。この報道は事実ですか?」とただした。
これに対し、与謝野財務相は「その当時は、知る必要性も感じていませんでした」と述べた。
与謝野財務相側は、1992年から2005年に、政治団体「政経政策研究会」から、およそ5,500万円の献金を受け取っていたとされる。
この政治団体が、商品先物取引会社などが企業献金を行うためのダミー団体だったと報じられた。
この疑惑報道に対し与謝野財務相は、フジテレビの「PRIME NEWS」で「架空団体ではなくて、ちゃんと届け出もし、収支報告書も出している団体。政治資金規正法上、要求されていることは全部満たしている。われわれの団体(駿山会)も、もちろん満たしているし」と述べた。
これに先立つ会見では、法律上問題あることがはっきりすれば、返金する可能性も示唆した。
民主党は、企業・団体献金を禁止する政治資金規正法改正案の成立を迫っている。
しかし、麻生首相は「『天の声の疑惑』などを含めて、これは民主党や小沢代表(代行)において説明責任を果たすのが、これの方が先決ではないか」とやり返した。
その小沢代表代行は「違法な行為は、私どもは一切していない。ほかの人のことについて、いろいろ論評する立場にはありませんので、控えさせていただきます」と、身の潔白を主張した。
与謝野財務相は、辞任する考えのないことを表明している。