Print this Post Article Lists Back

【追跡取材】早期留学は成功だったか(下)

 しかし、10年以上海外で暮らした早期留学生が韓国社会に再び適応するには、多少なりとも時間がかかり、韓国は「もう一つの外国」だった。

 彼らは韓国で就職する上での障害として、▲情報不足(回答者44人中14人、複数回答)▲韓国の組織文化に対する不安(11人)▲会社に適応できないという企業側の先入観(11人)▲留学までしたにもかかわらず国内の学生よりもあまり優遇されないストレス(6人)-を挙げた。

 高1で留学し、ミシガン大を卒業した女性(24)は昨年、大企業系列の情報通信会社に就職した。この女性は「韓国に帰ってみると、英語が上手な国内派の応募者があまりに多かった。自分が留学した当時とは異なり、他言語ができればまだしも、英語だけでは名刺も差し出せない社会の雰囲気に驚いた」と話した。

 企業の評価はさらに冷たかった。国内外の企業の人事担当者100人に早期留学を経験した新入社員に対する満足度を聞いたところ、59%は「普通」と答えた。また、64%は「早期留学生の採用を増やす計画はない」と答えた。

 早期留学生は「充実した10代を過ごしたことによる楽観性、両親と離れて自力で日常のさまざまな問題を克服してきた独立心に注目してほしい」と話す。

 高1で米国に渡った男性(26)は、西海岸の公立高校を経て、現地でも有名な州立大学を卒業し、最近サムスン電子に就職が内定した。留学する前まで、ソウル市郊外で育った彼は思春期にはスリッパで登校し体罰を受けたこともあり、成績も振るわなかったという。

 両親の勧めで早期留学した男性は、最初は寝言にも出てくるほど英語によるストレスに悩んだ。だが、サッカーチームで実力が認められ、徐々に自信を取り戻した。高2以降は成績がぐんぐん伸びて、大学時代は満点に近い成績を収めた。この男性の両親は「韓国にいたならば、大学に行くことさえままならなかっただろう。米国の優れた教育制度のおかげで、しっかりと成長し満足している」と話した。

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る