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【追跡取材】早期留学、英語ストレスとの闘い(下)

 女性はニュージーランドで高校を卒業後、米ニューヨーク州立大に進学し、会計学を専攻した。今年9月からはカナダの会計法人事務所で働く予定だ。家族や小学校時代の友人は英語圏で9年間過ごした女性を見て、「英語はネイティブレベルだ」という。しかし、女性は自分の英語能力について、「日常生活には支障ないが、専門分野の読み書きや細かい感情表現は自由にできない」と話している。

 彼女は「努力だけでは克服できない部分がある。同世代の米国の友人が幼いころに見た人気漫画の主人公を引き合いに出せば、皆が抱腹絶倒するが、わたしには暗号にすぎない。入社願書や公式な手紙を書く際にどんな表現が高級なのかは感覚でのみ身に付くもので、わたしにはまだ分からない」と話した。

 高1で韓国を離れ、米国の私立高校、名門公立大学を卒業した男性(27)は「外見は英語と韓国語が両方とも堪能なように見えるが、実際はどちらも完ぺきではないことが多い。それが留学生のジレンマだ」と指摘した。

 早期留学生が限界を感じるのは、言語能力には言語自体の熟達だけでなく、文化や社会に対する理解も含まれるからだ。そうしたプレッシャーは、早期留学生100人のうち52人(複数専攻を含む)が商業・経済分野を専攻したことからも分かる。

 ソウル大児童家族学科の李順炯(イ・スンヒョン)教授は「相対的に英語をあまり使わない分野、数学に強い韓国の学生が比較的優位に立つ分野が商業・経済関係だ。人文学や法律学などは、西洋の文化的伝統に精通しなければならないため、相対的に苦労する専攻分野だ」と指摘した。

 高1以来の留学生活を終えて最近帰国し、就職準備をしている男性(29)は熱烈な米国ドラマファンだ。彼は米国在住中に見たサスペンスドラマ『プリズン・ブレイク』をハングル字幕版で見ているという。

 友人からは「字幕が必要なのか」と驚かれるというが、彼は「英語を聞きながら、ハングルの字幕を見ないと内容を100%理解できない。ドラマには米国人が使う特有の熟語や俗語が多く出てくるので、完ぺきに理解するのは困難だ。米国で長く暮らしていても米国ドラマはまだまだ難しい」と話した。

(特別取材班)

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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