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早期留学:90年代「第1世代」は1万人

 専門家らは「早期留学第1世代」を、「1994年から2000年までの間に韓国国内の中学・高校から海外に留学した学生」と定義した。

 早期留学第1世代が現れた背景としては、「グローバル化フィーバー」を挙げた。93年に発足した金泳三(キム・ヨンサム)元政権はグローバル化を国政課題に挙げた。貿易障壁が低くなり、国際事情に明るい人材の需要が高まった。当時、ハーバード大を最優等生として卒業したハンナラ党の洪政旭(ホン・ジョンウク)議員が23歳のときに書いた自叙伝『7幕7章』が大ヒットし、100万部以上が売れた。

 厳密に言えば、中高生が教育目的だけで留学するのは1990年代まで違法だった。だが中流層の父兄は、「英語をマスターすればそれだけで世の中で十分通用する」という考えから、あの手この手で子どもを海外に送った。彼らにとって早期留学は、受験地獄を避けると同時に専門職のエリートになれる「妙策」だった。父親の多くは「うちの息子はわたしのように韓国で苦労せず、世界を舞台に羽ばたいてほしい」という一念で、留学のため妻子を海外に送り、一人国内に残って働くことを甘受した。

 この現象を如実に示しているのが、海外留学・研修の送金額の集計だ。韓国銀行の統計によると、韓国から海外留学生に送金した額は1993年には2億9740万ドル(現在のレートで約285億円、以下同じ)だったが、94年は9億4460万ドル(約906億円)、96年には11億2800万ドル(約1080億円)と急増した。アジア通貨危機直後の98年には8億2970万ドル(約795億円)と減少したが、99年から再び増加し、2008年には44万8360万ドル(約4300億円)に達している。

 早期留学第1世代は、同世代以前や以降の留学生とはいくつかの面で様相が異なる。

 同世代以前にも留学生は多かった。しかし上流階層の子女や韓国で学部、修士課程を終え博士の学位取得を目指す教授志望者、芸術・体育系の人材に限られていた。父兄の海外赴任や留学、移民などで外国の学校に通った駐在員・外交官・教授の子女や移民、移民1.5世代(韓国で生まれ米国で育った世代)もいたが、その数は極めて少なかった。

 とりわけ2000年以降には、早期留学者の年代が小学生にまで低下した。90年代には1割に過ぎなかった小学生の割合が2000年代に入り急増し、07年には44.6%(2万7668人)に達した。

 専門家らは、早期留学第1世代を最低1万人程度と推定した。韓国教育開発院(KEDI)は早期留学が社会的トレンドとなった95年から早期留学生の集計を行っている。同院によると、95-00年の間に韓国の小中高校から海外留学した学生は1万6904人に上ったという。

廉康洙(ヨム・ガンス)記者

イ・ソクホ記者

パク・スンヒョク記者

チェ・ミンギ記者

ハン・ギョンジン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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