<ネトゲ廃人>【1】バーチャルに生き、現実世界で生きられない人、増える
6月24日14時32分配信 毎日新聞
拡大写真 |
自宅でネットゲームをするフリーター。高校は中退してしまった=埼玉県入間市で20日、武市公孝撮影 |
1カ月、風呂に入らなくても平気だった。大学には通わず、電話にも出ない。料金未納でガスも止められたが、不自由と思わなかった。狭いアパートで、ベッドとパソコンの前を移動するだけ。血行が悪くなり、冬は足や手の指にしもやけができて痛かった。
神奈川県の男子大学生(22)は、地方の国立大に入学した18歳の夏休みから、ネットゲーム「ファイナルファンタジー11」(FF11)に夢中になった。1人暮らしを始め、厳しい親の目がなくなったのがきっかけだった。1日4時間が10時間、20時間と伸び、外の世界には関心がなくなった。食パンをかじり牛乳を飲む日々で、52キロだった体重は46キロまで落ちた。
FF11は、魔物がはびこる中世の世界で、自ら主人公となって敵と戦うゲーム。ネット上で見知らぬ人とチームを組んで挑む。勝てば攻撃力や防御力が増してレベルが上がり、さらに強い相手と対戦できる。
敵はいつ画面に現れるのかわからない。「仲間どうしで交代で眠って、出現を待った。勝てば達成感があった」。何度打ち負かしても、さらにハイレベルの魔物が現れる。ネットゲームの世界に終わりはない。廃人同様の生活を送るようになって3年たったある日、疲れ果て、宝探しと戦闘に明け暮れる日常が楽しく思えなくなり、ログインをやめた。以来、FF11の画面を開いたことはない。
「ゲームにはまった本当の原因は自己嫌悪。第1志望の大学に挑戦しなかった自分が嫌だった。ゲームをしてれば何もかも忘れられた」。今春、実家近くの別の大学に通い始めたが、卒業後が不安だという。「膨大な時間を損した。若者が勉強もせずゲームばかりしたら、まともな勤めはできない。ネトゲ廃人が増えたら社会の損失でしょう」
【関連ニュース】
<続きを読む>ネトゲ廃人:【2】目立つ不登校 禁止すると暴力
最終更新:6月24日14時59分
ソーシャルブックマークへ投稿 0件
この話題に関するブログ 12件
この記事を読んでいる人はこんな記事も読んでいます
- 基本給50%引き上げか=再建中のシティ−米紙(時事通信) 24日(水)13時3分
- 受信契約拒否のホテル経営会社に民事訴訟 NHK(産経新聞) 23日(火)16時22分
- 日産のEV、ガソリン車と同価格に=来秋発売へ−ゴーン社長(時事通信) 23日(火)19時1分