そうした懸念がある中、出版大手と共に名を連ねた大日本印刷は、ブックオフ出資の狙いを「1次流通(新刊)と2次流通(中古本)の健全化」(森野鉄治常務)と明言する。「出版業界の最大の問題は4割もの返品で、大量の本が断裁処分されるのは社会悪。世の中ではアウトレットが流行しており、出版業界でも1次流通は定価で売り、結果的にはじかれたものは2次流通で価格を変えるなど仕組みの整備が必要」と語る。
同社は近年、書店の買収や出版社への出資など、川上から川下まで幅広く出版業界での関係強化を図っている。こうした中で業界の非効率性を再認識し、2次流通(ブックオフ)を融合させた活性化策を具現化する狙いも考えられる。だが、出版社側はブックオフへの自由価格本の提供について、「まったくの白紙」(講談社の森常務)と言い切る。
出版業界の一大コンソーシアムがブックオフとともに、どこまで新たな仕組みを創造するか。その一挙手一投足に注目が集まっている。
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(許斐健太 撮影:風間仁一郎 =週刊東洋経済)
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