| 雑誌の殿堂「東京マガジンバンク」が、都立多摩図書館に誕生ダイヤモンド・オンライン6月12日(金) 8時30分配信 / 経済 - 経済総合
 メジャー誌や総合情報誌、若者向けの雑誌から、学術関係者の専門誌まで、ラインナップの幅広さに驚く。約1万タイトルのうち、継続刊行雑誌は約5800にも及び、全国の公立図書館としては最大規模となる。今年5月1日のオープン以降、5月の月間入館者数は136%(前年比)。さらには、多摩地区のみならず、神奈川や埼玉といった近県からの来館者も増えているという。 国内で膨大な数の雑誌コレクションを誇る図書館といえば、これまでなら国立国会図書館や大宅壮一文庫あたりが思い浮かぶところだが、東京マガジンバンクの良さは、誰もが無料で使え、自らオンラインデータベースを検索できる点だ。 「若い方から年配の方まで年齢層は幅広いですが、最近では、プロの編集者やジャーナリストの方もお見えになっているようです。書庫の出し入れの総数は以前の約2倍になりました」(同館・情報サービス係長 瀬島慶子氏)。 さらに驚くべきは、創刊号のコレクションが約3000誌も揃っていること。 「雑誌は約30年前から集めていましたが、それ以前のものはコレクターの方の寄贈や、古書店で購入するなど、様々な方法をとりました。その甲斐あって、明治時代の貴重な雑誌まで集められたんです」(同氏)。 また館内には「創刊号コーナー」が設けられており、その表紙を眺めているだけで濃密な時代の香りを感じとることができる。中でもバブル世代の筆者には、「朝日ジャーナル」や「JJ」、「an an」といったラインナップが非常に興味深かった。ちなみに、同館が誇る“お宝”創刊号は、1946年創刊の芸能誌「松竹」だという。 もともとこの東京マガジンバンクのプロジェクトは、東京都教育委員会の方針で平成18年夏からスタート。2年半の年月をかけて準備を進めてきたが、このような試みは全国でも初めてだ。 「一番苦労したのは、配架のディスプレイです。いかに魅力的に見せるかに工夫を凝らしました。また、床面を木にするなど、親しみやすく柔らかい雰囲気づくりに努めました」(同氏) 雑誌は「情報の宝庫」であり、「知の財産」である。この画期的なマガジンバンクをフル活用して、豊かな雑誌の世界に浸りながら、様々な知識を吸収してみてはいかがだろう。 (田島 薫) 【関連記事】 ・ 雑誌の売れない時代に“独り勝ち”「分冊百科」の強さの秘密 ・ 雑誌休刊ラッシュが示すマスメディア生死の分かれ道【岸博幸コラム】 ・ コミック本は包んだほうが売れる!フィルム包装機市場でシェア90%のダイワハイテックス ・ 和解によって、出版社と著者はどのような権利を得るか ・ 不況を反映し、安くて手軽な「無人カフェ」が京阪神でブーム 
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