あの人は今こうしている　さいたまんぞうさん（「なぜか埼玉」がヒットした）

　去年、パンチパーマにサングラスの鼠先輩が歌うコミックご当地ソング「六本木〜ＧＩＲＯＰＰＯＮ〜」がヒットした。ふざけているのか、マジなのか、聞いていると思わず笑った。さて、コミックご当地ソングといえば、８１年には「なぜか埼玉」が大いに売れた。歌っていたのは、さいたまんぞうさん。今どうしているのか。

●「１２０歳まで生きるんじゃないか。それまでおカネがもつか」

　さいたさんに会ったのは、ＪＲ中野駅から徒歩３分の喫茶店。

「ウチのマンションはここから歩いて４分なんですよ。中野にはもう３５年住んでます。家賃１０万５０００円の２ＤＫです」

　まずはこう言ったさいたさん、ファッションも若々しいうえ、顔の色ツヤのいいこと！　とても還暦には見えない。

「同窓会へ行くと、ひとりだけ浮いてるんです、ハハハ。仕事もしない、遊びもしない、たばこも酒もギャンブルもやらずで、浮世離れしてるからですかねえ」

　いったい、どんな生活をしているのか。

「平日は年金生活者のようなものですね。朝５時に寝て、お昼過ぎに起きる。それからテレビ見て、夕方になるとブラブラ買い物に出て、帰って自炊して、夜中１２時から新聞や雑誌を持ち込んで１時間半から２時間、半身浴して……。週末は草野球の審判で一日中走り回ってます。でも、体力の衰えは感じない。毛髪以外、体に異常なし。このままの生活してたら、１２０歳まで生きるんじゃないか。それまでおカネがもつかどうかが心配です、ハハハ」

　それで収入源は？

「美空ひばりさんのそっくりさんや美川憲一さんのそっくりさんの歌謡ショー、ブライダル、カラオケ大会とかのイベントの司会がメーンですね。あと、ときどきテレビでリポーターをしたり、ラジオに呼んでいただいたりもしてます。去年の大晦日には、なんとテレビ東京の『年忘れ　にっぽんの歌』に出ました」

　４月１日には、社会を風刺した新曲のド演歌「どうなってんだ’０９」が、携帯電話の音楽配信サイト「うたＵＳＥＮフル」で配信スタート。７月１０日発売の所属レーベル“マイライフレコード”の３周年記念アルバム「作詞家にしかずみベストセレクション」にも収録される。

　さて、埼玉ならぬ岡山出身のさいたさんは、高校卒業後、ドラマーを夢見て上京。アマチュアバンドでドラムを叩いていた８１年、バンドの先輩が作った「なぜか埼玉」をリリース。深夜ラジオ番組「タモリのオールナイトニッポン」で紹介され、１２万枚のヒットとなった。

「欲もなく、努力もしないボクがここまでやってこられたのは、運があったおかげ。稼いだおカネはゴルフにつぎ込みました。今は３カ月に１回、企業とかのコンペに呼ばれてやってます。スコアは９０から９５といったところですね」

　独身。結婚歴もナシ。

「３カ月に１回、風俗のお世話になってます、ハハハ」

（日刊ゲンダイ2009年5月26日掲載）