電力ロスを3分の1に=10分の1サイズの電源装置−富士通研
6月24日3時1分配信 時事通信
富士通研究所(川崎市)は24日、省電力の化合物である窒化ガリウムを半導体の素材に用いた電源装置の開発に世界で初めて成功したと発表した。米ペンシルベニア州立大で開催中の「デバイス・リサーチ会議」で明らかにした。従来のシリコン素材の半導体に比べ無駄に消費する電力を3分の1以下、サイズも10分の1以下に抑えられる。2011年の実用化を目指す。
新しい電源装置を活用し、ノートパソコンの電源ACアダプターも小型化できる。同研究所では量産化を経てデータセンターのサーバーやパソコン向けに加え、電気自動車の電源用にも売り込む考えだ。
電源装置は、コンセントから取り込む交流電力を安定した直流電力に変換する役目を担う。電源内の半導体をオン(通電)とオフ(遮断)に切り替えて変換する際に発熱するため、電源内で30%以上の電力が無駄に消費されていた。
窒化ガリウムはシリコンに比べ抵抗が少なく発熱しにくい上、電極間の距離も短くて済むため小型化に適している。電源装置の素材に活用するには通電時の電流密度を引き上げる必要があったが、同研究所は特殊な3層構造を採用し、この問題をクリアした。
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最終更新:6月24日3時4分
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