テレビに風を映す NHK技研が開発
6月23日7時57分配信 産経新聞
テレビの画質がどれだけよくなっても風を映し出すことはできない。と思いきや、NHK放送技術研究所が「風カメラ」なるものの開発を進めている。風の向きや強さを画面に表示するもので、すでにゴルフやスキージャンプの風に左右されるスポーツ中継で利用されているが、「改良を進めて、もっと多くの番組で活用したい」(NHK)と力を注いでいる。
風カメラは、気象観測に使われている原理を利用。風の方向を矢印で表し、中継映像に重ね合わせる。風速は色の違いで表現、一番強い風は赤で、以下オレンジ、黄色、緑、水色、青とだんだん弱くなっていく。近くで吹いている風は大きい矢印で、遠方の風は小さい矢印で示す。
これまでに、平成19年6月の「UBS日本ゴルフツアー選手権」と、昨年2月の「NHK杯ジャンプ」の中継で使用しているが、視聴者からは「野球やヨットでも風が見たい」などとおおむね好評だった。2年前の開発当初は風の観測に20秒もかかったが、最近は3秒から5秒とリアルタイムに近づいたという。
矢印がテレビ画面に入るのは邪魔な気もするが、NHKは「常時表示するのではなく、VTR映像に矢印を入れてミスショットの原因を探るなど、要所要所での活用を考えている。心理学の知見も採り入れ、よりよい見せ方を研究していきたい」と話しており、まだまだ改善の余地もありそうだ。(草下健夫)
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最終更新:6月23日7時57分
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