新潮社、早川清氏(『週刊新潮』前編集長)、佐藤優氏への訴訟提訴の件だが、訴状はいったん受理されたものの、後日、地裁から電話があった。
地裁によれば、私の訴状では佐藤氏は現在外務省を休職中となっているから、佐藤氏の連絡先は、私が訴状で記載した外務省よりも、直接連絡がとれる場所(住所)の方が望ましいとのことである。したがって、私は、佐藤氏に直接連絡がとれる場所の所在地を調べ、調査結果を地裁に報告しなければならない。 6月19日に外務省に聞いたところ、個人情報で教えられないとのことだったので、6月22日昼、佐藤氏と交流の深い、岡本厚『世界』編集長に、以下のメールを送った。 ------------------------------------------------------- 岡本厚様 金光翔です。 お疲れ様です。 さて、私は、さる6月12日に、東京地方裁判所民事部に、株式会社新潮社(代表取締役:佐藤隆信)、早川清氏(『週刊新潮』前編集長)、佐藤優氏(外務省職員)を被告とする、600万円の損害賠償・謝罪広告等の請求を目的とした訴状を、提出いたしました。 ただ、後日、地裁民事部から連絡があり、佐藤氏の現在の直接の文書郵送先を、私の方で調査した上で、その結果を報告してほしいと言われました。 私は、訴状で佐藤氏の住所を、外務省気付として提出したのですが、佐藤氏は休職中なので、地裁によれば、勤務先(外務省)よりも、地裁から郵送された文書をそのまま受け取れる場所に訂正するのが望ましい、とのことです。 そこで、6月19日に外務省に電話して、上記の趣旨を説明して、佐藤氏の現住所または文書郵送先を教えてほしい旨を述べました。ところが、佐藤氏の個人情報に当たるため、それは教えられないとのことでした。また、この件は佐藤氏の私事にあたるので、郵送された文書の転送も、外務省としては行えないとのことでした。 したがって、私としては、佐藤氏と仕事上のおつきあいのある岡本さんに、佐藤氏の現住所または、郵送された文書をそのまま受け取れる場所(事務所など)を、教えていただきたく思い、今回、このメールを送る次第です。 もし、そうした場所は、個人情報なので教えられないということであれば、私の依頼の趣旨を佐藤氏にお伝えいただき、現住所または文書郵送先について、佐藤氏から岡本さんに伝えていただいてそれを岡本さんからまた私に教えていただくか、佐藤氏から、直接私のこのメールアドレスにメールでご伝達いただくか、どちらかをお願いしていただけないでしょうか。 ご多忙のところ、大変恐縮ですが、なにとぞ宜しくお願いいたします。 ----------------------------------------------- ところが、返事をもらえないので、翌日6月23日の昼休みに、『世界』編集部に電話した。岡本編集長は席を外しているとのことだったので、代わりに出た編集部員に、岡本編集長あての伝言として、送ったメールに返事を欲しい旨を伝えておいた。 それでもやはり返事が来ないため、同日夕方に改めて『世界』編集部の岡本編集長の席に改めて電話した。以下がそのやりとりである。 (岡本)もしもし。 (金)岡本さんですか。 (岡本)はい。 (金)キムですが。 (岡本)いや、あなたとは話したくないんだよ。 (金)メールの件なんですけど。 (岡本)いや、切ります。 <岡本編集長、電話を切る> というわけで、私のメールでの依頼内容については、言及すらされなかったのである。 岡本編集長と直接話すのは、私が『世界』編集部を離れて以来だから、2年ぶりである。それにしても、これは、岡本編集長の私への憎悪を大変よく示すよい例だと思う。 私は、編集者または元上司として、佐藤氏へ私の要望をメールで伝える程度の対応はしてくれるだろうと思っていた。岡本編集長の性格を忘れていたのである。 岡本氏の憎悪は、当然、私の「<佐藤優現象>批判」その他の一連の言動によるところが大きいだろうが、これは、「逆ギレ」とでも言うほかあるまい。 岡本編集長は、雑誌『世界』が社会的に持つ意味から目をそらし、熱心に佐藤氏を使い続け、そのことが日本社会という<外部>に与える悪影響について、放置してきており、批判に対しても黙殺で応じてきている。佐藤氏を使い続けるという既成事実づくりにいそしんでいるかのようにすら見える。 岡本編集長は、「新潮社・早川清『週刊新潮』前編集長・佐藤優氏への訴訟提起にあたって」 でも述べたが、排外主義的主張や国権主義的主張、「言論の自由」への挑戦と言うべき発言を数多くの媒体で展開している佐藤氏を使うことの社会的責任についてどう認識しているのか、公的に明らかにすべきであろう。 そもそも、『世界』は、ホームページで、以下のように自称しているのである(強調は引用者)。 「『世界』は、良質な情報と深い学識に支えられた評論によって、戦後史を切り拓いてきた雑誌です。創刊以来60年、すでに日本唯一のクオリティマガジンとして、読者の圧倒的な信頼を確立しています。」 http://www.iwanami.co.jp/sekai/ 『世界』が実際に「日本唯一のクオリティマガジン」かどうかはさておき、ここまで自身を誇っているのであれば、佐藤氏を使うことの社会的責任をどう認識しているのか、公的に明らかにすべきなのは、なおさらではないのか。
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