この人物のオモテとウラ　島崎俊郎（タレント）

●大事なキャラに自ら作詞作曲を

　アダモちゃんという特異なキャラクターを生み出したタレント・島崎俊郎（５４）が、７月８日に「アダモちゃんのテーマ」をＣＤ発売する。アダモちゃんは８５年にフジテレビ系「オレたちひょうきん族」で誕生。２５年目を迎え、島崎が「アダモちゃんにもテーマ曲があった方がいい」と自ら作詞・作曲したのだ。

　プロデュースは、音楽プロデューサーの寺岡呼人。「ゆずのアレンジをしている方だけあって、おしゃれでかっこよくなりました。アダモちゃんの土くささと面白いコラボをしていると思う」と島崎。プロモーションビデオも豪華で、テリー伊藤、南明奈、渡辺正行ら７人の著名人が出演した。「出演してくださった一人一人に借りができたような気持ちです」と感謝の意を述べた。

　島崎は１９５５年、京都府生まれ。１８歳でハナ肇の付き人になり、１９７９年にお笑いトリオ・ヒップアップを結成。漫才ブームの後半から頭角を現し、「オレたちひょうきん族」のアダモちゃん役が大きな反響を呼ぶ。「天才・たけしの元気が出るテレビ！！」にレギュラー出演し、日本初の芸能人バンジージャンプにチャレンジ、トラのキスマークを奪うなどさまざまな危険な企画に挑戦。以後、主にリポーター業を得意とした。

　２５年の歴史があるアダモちゃんだが、そのキャラはほとんど偶発的に形成されていったという。最初は台本に「ポリネシアンダンサーが出る。大暴れ。大爆笑のうちに去る」だけ。ぶっつけ本番でやっているうちに、なぜかポリネシアンダンサーが芸者で呼ばれる設定があり、ふすまを開けた瞬間に本能的に「ア〜ダ〜モ〜ス〜テ〜……」と出た。しかも力入れて「……ペイッ！」とやったら、スタジオ中にドーンとウケた。この「ペイッ！」というのは島崎の親父の酒を飲みながらの口癖で、スタジオで追い詰められたときに無意識に出てきたのだという。

　その後もアダモちゃんブームが時々現れた。

　００年にはユニット「アダモす」を結成して、ＣＤを発売。ガングロのコギャルたちに「ガングロの元祖は私」と、一緒に旗揚げライブを催したこともある。また、今年の４月には誕生２５周年ＤＶＤ「私はアダモちゃんを見た！！」を発売し、「まだまだ現役」とニンマリ。

「大事なことは死に物狂いでやり遂げようという気持ち」といつも全力疾走の島崎。今回のＣＤ発売でも「今後はまずこのＣＤに集中して、島崎俊郎のアダモちゃんの、世間の方が知らない側面を出していけたら」とさらにやる気満々だ。

（日刊ゲンダイ2009年6月17日掲載）