「デートDV」高校・大学生の3割経験…石川で民間調査
市民団体「石川おんなのスペース」(代表・深川明子金沢大名誉教授)が、石川県内の高校生と大学生を対象に実施した「若い世代の恋愛についてのアンケート」がまとまり、恋人がいる若者の約3割が、行動を制限されたり、言葉の暴力を受けるなどの「デートDV」を経験している実態が浮き彫りになった。
深川代表は「放置すれば将来、配偶者間のDVにつながる可能性もある」と警鐘を鳴らしている。
同会は配偶者や恋人からの暴力(DV=ドメスティックバイオレンス)被害者の支援に取り組んでおり、昨年7〜10月、県内の7高校と3大学の男女計約2130人に対し、恋人の有無やデートDVに関するアンケート調査を実施した。
アンケートでは、高校生の過半数、大学生の約7割が恋人がいると回答した。このうち、約29・7%の若者が何らかのデートDV被害に遭った経験があり、特に大学生は、約40%に被害の経験があった。
被害の内容は、▽言葉での暴力(約9・7%)▽行動を制限される(約8・7%)▽目の前でものを壊したり、ナイフを持ち出すなど怖い思いをさせられる(約2・6%)▽殴るけるなどでけがを負わされる(約0・8%)▽性的行為を強要される(約2・8%)−−など。
一方、「暴力を振るわれても付き合い続けるのは、愛情があるから」と暴力を容認する考えに約18・4%が賛同。「たとえ暴力を振るっても、謝ったら恋人は許した方がよい」という質問にも、約11・3%が賛同していた。深川代表は「愛情の誤解からDV事件に発展しかねない考え方だ」と指摘する。
深川代表は調査の実施にあたり、「うちの生徒に、そういうことはない」「寝た子を起こすようなことはしたくない」と、調査への協力を拒む学校が複数あったことを明かし、「教育現場が、現状を無視して、実態を知ろうとしないように感じる」と話す。
アンケートでは、初めて恋人からデートDVにあった時期に、「中学生の時」を挙げた若者も約21・9%おり、「早期から、恋人同士は対等であると認識する男女平等教育の徹底が重要だ」と訴えている。
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